いま米国株への投資が人気です。しかしその膨大な数もあり、銘柄選びに悩む人も多いことでしょう。また、米国株は株価変動のリスクは大きく、初心者にはハードルが高い部分もあります。そこで注目したいのが米国株ETFです。米国株ETFに投資をするメリットを知ると、米国株ETFが投資の有力候補になることは間違いないでしょう。特にランキング上位には魅力的な銘柄が揃っています。本記事では、米国株ETFに投資するメリットを解説したうえで、米国株ETFの人気ランキング5銘柄、高配当銘柄を紹介します。

目次

  1. 米国株ETFに投資する4つのメリット
    1. リアルタイム、リスク分散、低コスト、少額から投資できる
    2. 米国ETFを取引可能なおすすめネット証券
  2. 米国株ETFに投資する4つのデメリット
    1. 手数料が日本株に比べて高い
    2. 為替リスクがある
    3. 取引時間が日本時間深夜~朝方
    4. 日本株に比べて情報量が少ない
  3. 米国株ETFに投資する際の4つの注目ポイント
    1. 経費率(コスト)、流動性(出来高)、投資スタイル、分配金
  4. SBI証券で人気の米国株ETF銘柄ランキング
    1. 【第1位】SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)
    2. 【第2位】バンガード S&P 500 ETF(VOO)
    3. 【第3位】バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
    4. 【第4位】バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)
    5. 【第5位】インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ)
  5. マネックス証券で取扱いの米国高配当株ETFから、特徴を確認する
    1. ダウジョーンズインダストリアルアベレージ(DIA)
    2. iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)
    3. ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLV)
    4. 生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド(XLP)
  6. まとめ:米国株ETFは種類が多く魅力が多い

米国株ETFに投資する4つのメリット

米国株ETFとは、アメリカの証券取引所に上場している投資信託のことです。その米国株ETFには4つのメリットがあります。それでは順に見ていきましょう。

米国株ETFに投資するメリットは?人気銘柄にみる特徴と注目のコスト「経費率」とは
(画像=ZUU online)

リアルタイム、リスク分散、低コスト、少額から投資できる

米国株ETFには「リアルタイム」「リスク分散」」「低コスト」「少額から投資できる」というメリットがあります。特に投資初心者にとっては、どれも心強いメリットです。詳しく見ていきましょう。

米国株ETFに投資するメリット
  • リアルタイム
  • リスク分散
  • 低コスト
  • 少額


・リアルタイム

米国株ETFは、リアルタイムで値動きを見ながら売買することができることがメリットです。投資信託の場合、注文時には約定価格はわからず、注文を出した後に自分がいくらで購入したかがわかります。その点、米国株ETFはリアルタイムで値動きを見ながら注文を出せるため、自分の希望する価格で購入できるのが特長です。

・リスク分散

米国株ETFを構成している銘柄は多岐にわたります。たとえば、バンガード S&P 500 ETF(VOO)という米国ETFを1本持つだけで、500銘柄に投資をした場合と同じリスク分散効果を得ることができるのです。個別株を一社ずつ購入する場合、分散投資をしようと思ったら多額の資金が必要になりますが、米国株ETFであれば少額でリスク分散をできます。

・低コスト

投資信託やETFを運用するために必要な費用が、純資産総額に対してどのくらいの割合かを示したもの経費率といいます。米国株ETFの経費率は、一般的な投資信託の保有コストと比べても、安めに設定されています。資産形成をするにあたり、保有コストをなるべく下げることは非常に重要です。その点でも米国株ETFは魅力的といえるでしょう。

・少額

米国株ETFは1口から少額投資をすることができます。たとえば、バンガード S&P 500 ETF(VOO)であれば、2020年11月19日現在、1口あたり約3万4,150円で購入可能※です。さらに、バンガード S&P 500 ETF(VOO)よりも安く購入できる米国株ETFも多数あります。そのため、少額でコツコツと積立投資をしていきたいという人に向いているといえるでしょう。

※2020年11月19日の終値$328.9350・為替レート1ドル=103.83で計算

米国ETFを取引可能なおすすめネット証券

米国株ETFを取引可能でおすすめのネット証券に「楽天証券」、「SBI証券」、「マネックス証券」の3社があります。手数料や取扱銘柄数は以下のとおりです。

▽主なネット証券の米国株ETF取扱状況

社名 手数料 取扱銘柄数
楽天証券 約定金額の0.45%(税込0.495%) 313銘柄
SBI証券 295 銘柄
マネックス証券 306 銘柄


※2020年11月時点

上記のとおり、3社とも手数料は同じで、取扱銘柄数の多さは楽天証券>マネックス証券>SBI証券の順であることが分かります。

米国株おすすめ証券会社比較一覧表
ネット証券
会社名
特徴 取扱
銘柄数
手数料

最大20万円
キャッシュバック
為替
手数料
0円
4,005 0.45%(※)
最大21万5千円
キャッシュバック
NISAで
米国株
取扱
3,820 0.45%(※)

楽天ポイント
200ポイントプレゼント
取引ツールに強み 3,954 0.45%(※)
IPOに注力 169 0.20%(※)

※約定代金に対する割合。各社最低手数料は0ドル
上限手数料は20ドル (税抜) ・2021年1月20日現在

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米国株ETFに投資する4つのデメリット

米国株ETFに投資をするデメリットについて解説していきましょう。

米国株ETFに投資するデメリット
  • 手数料が日本株に比べて高い
  • 為替リスクがある
  • 取引時間が日本時間深夜~朝方
  • 日本株に比べて情報量が少ない
米国株ETFに投資するメリットは?人気銘柄にみる特徴と注目のコスト「経費率」とは
(画像=ZUU online)

手数料が日本株に比べて高い

日本株に比べると、米国ETFの手数料は高くなっています。たとえば、SBI証券の場合に米国ETFの手数料は約定金額の0.45%(税込0.495%)ですが、日本株の場合0.1%を超えることはほとんどないでしょう。

為替リスクがある

米国株ETFを含めた外国株に投資をする際には、「為替リスク」を避けて通れません。米国株ETFの価格が上がったとしても、為替が円高に振れてしまうと為替分だけ資産価格が下落してしまいます。

取引時間が日本時間深夜~朝方

米国ETFで値動きを見ながら取引できる時間帯は、米国の取引時間(日本時間23:30~6:00。サマータイム時22:30~5:00)になってしまいます。日本にいる場合、深夜での取引になることは不便な点といえるでしょう。

日本株に比べて情報量が少ない

最近はインターネットを通じて海外の情報も多く入手できますが、現地の状況を詳細に把握することは困難です。日本株に比べると、どうしても情報量が少なく感じてしまうのは否めません。また、語学力も大切になってきます。英語ができない場合は、米国株について日本語で発信しているメディアやSNSなどでの情報収集、もしくはネットの翻訳機能を使って現地の情報を手に入れることになりますが、語学力のある人よりも情報量の面でハンディを負うことになります。

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米国株ETFに投資する際の4つの注目ポイント

米国株ETFに投資する際の4つの注目ポイントを見ていきましょう。

米国株ETFに投資するメリットは?人気銘柄にみる特徴と注目のコスト「経費率」とは
(画像=ZUU online)

経費率(コスト)、流動性(出来高)、投資スタイル、分配金

米国株ETFに投資をする際には「経費率(コスト)」、「流動性(出来高)」、「投資スタイル」、「分配金」の4つに注目することで、より自分に合った米国株ETFを選ぶことができます。それぞれのポイントについて見ていきましょう。

米国株ETFに投資する際の注目ポイント
  • 経費率
  • 流動性(出来高)
  • 投資スタイル
  • 分配金


・経費率

米国株ETFに投資する4つのメリットでもお伝えした、コスト面に関わる「経費率」をチェックしましょう。この経費率が低ければ低いほど、保有コストが低いことを意味します。なお、経費率については各商品の紹介ページに掲載されています。

・流動性(出来高)

取引は、買いたい人と売りたい人がいて初めて成立します。そのため、「流動性(出来高)が少ない=買いたい人・売りたい人が少ない」という状況では、自分の希望どおりの売買をすることができないかもしれません。逆に流動性(出来高)の高い米国株ETFでは、自分の狙っていた価格で取引できる可能性が高くなります。

・投資スタイル

「リスクをとって大きなリターンを狙う」、「安定的にコツコツ利益を伸ばしていきたい」など投資スタイルは人によってさまざまです。一口に米国株ETFといっても、相対的にリスクの高いものから低いものまで色々な種類があります。そのため、自分の投資スタイルに合った米国株ETFを選ぶことが大切です。

・分配金

米国株ETFを保有していると「分配金」を受け取ることができます。分配金の分配頻度はETFにより異なり、たとえばバンガード S&P 500 ETF(VOO)の場合、例年3月、7月、10月、12月に分配金の支払いが開始されるのです。どれくらいの分配金を得られるのかも、米国株ETFに投資する際にはチェックしておきましょう。

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SBI証券で人気の米国株ETF銘柄ランキング

ここからは具体的な米国株ETFを検討するために、SBI証券で人気の米国株ETF銘柄ランキングを見ていきます。それぞれの特徴と経費率を確認しましょう。なお、米国株ETFの名前の後についている括弧で囲まれたアルファベットは、ティッカーシンボルといって、個々の銘柄を区別するためにつけられた名称です。

SBI証券で人気の米国株ETF銘柄ランキング
  1. SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)
  2. バンガード S&P 500 ETF(VOO)
  3. バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
  4. バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)
  5. インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ)

【第1位】SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)

SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)は、S&P500高配当指数のパフォーマンスとおおむね連動する米国株ETFです。S&P500高配当指数とは、アメリカの代表的な指数であるS&P500指数のうち、配当利回りの高い上位80銘柄の値動きを反映させた指数を意味します。

簡単にいうと、SPYDを1口持っているだけで、配当利回りの高い代表的な米国株80銘柄に投資をしているのと同等の投資成果を享受することができるのです。そのため、SPYDは分配金を貰うことを目的にしつつも、値上がり益も狙っていきたい人におすすめといえるでしょう。なお、保有コストにあたる経費率は0.07%です。

【第2位】バンガード S&P 500 ETF(VOO)

バンガード S&P 500 ETF(VOO)は、米国の代表的な指数であるS&P500指数のパフォーマンスとの連動を目指しています。S&P500は、米国の大型株500銘柄で構成されており、多くの機関投資家が運用の参考にしている指数です。

つまり、「VOOを保有する=米国の代表的な大企業500銘柄を保有する」ということを意味します。なお、経費率は0.030%です。

【第3位】バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)

バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)は、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスとの連動を目指している米国株ETFです。FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスは、米国株のなかでも高い配当利回りの銘柄で構成されています。

2020年10月31日時点のVYMの保有上位10銘柄を見てみると、ジョンソンアンドジョンソンやP&G、ファイザーなど大型で不景気にも強い銘柄が目立ちます。なお、経費率は0.060%です。

【第4位】バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)

バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)とは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスとの連動を目指している米国株ETFです。CRSP USトータル・マーケット・インデックスでは、米国株式市場で投資可能な銘柄ほぼ100%をカバーしています。

つまり、「VTIを買う=米国株全て買う」ことを意味するのです。ただし、銘柄により保有割合は異なります。そのため、特定の銘柄たちの影響が強くなっていることは頭の片隅に置いておきましょう。米国という国自体が今後も成長し続けるのであれば、このVTIも上昇することが期待できるでしょう。ちなみに、経費率は0.030%です。

【第5位】インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ)

インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ)は、ナスダック100指数との連動を目指している米国株ETFです。ナスダック100指数は、ナスダック市場に上場している時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)から算出されています。具体的なナスダック100指数の構成銘柄は、アップルやマイクロソフト、アマゾンやアルファベット(グーグル)などのハイテク企業の割合が多いです。

そのため、やや大まかに説明すると「QQQに投資をする=米国のハイテク企業に投資をする」ということになります。多少リスクを負ってでも、リターンを追求したい人におすすめといえるでしょう。

なお、経費率は0.20%です。

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マネックス証券で取扱いの米国高配当株ETFから、特徴を確認する

続いては、米国株取引に強いマネックス証券で、米国高配当株ETFをスクリーニングし、注目の米国株ETFをいくつかピックアップしてみました。特徴と経費率を確認しましょう。

注目の米国株ETFの特徴
  • ダウジョーンズインダストリアルアベレージ(DIA)
  • iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)
  • ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLV)
  • 生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド(XLP)

ダウジョーンズインダストリアルアベレージ(DIA)

ダウジョーンズインダストリアルアベレージ(DIA)は、ダウ・ジョーンズ工業株30種(NYダウ)平均指数との連動を目指している米国株ETFです。NYダウは、米国大型株の中から米国を代表する30銘柄で構成されています。

具体的な構成銘柄は、アップルやボーイング、キャタピラーやインテルなどです。DIAを保有することで、NYダウを買ったことと同様の投資パフォーマンスを享受できます。なお、経費率は0.16%です。

iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)

iシェアーズMSCI コクサイ ETF(TOK)とは、MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックスとの連動を目指している米国株ETFです。MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックスは、日本を除く先進国(米国、イギリス、フランス、スイス、カナダ、ドイツなど)の株式で構成されています。日本以外の先進国に投資をしたいと思ったならば、このTOKが選択肢に上がるでしょう。

ただし、2020年9月30日時点では、TOKの構成銘柄のうち米国市場で上場している銘柄が70%以上を占めています。そのため、米国株の影響を大きく受けることは認識しておきましょう。なお、経費率は0.25%です。

ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLV)

ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLV)とは、ヘルスケア・セレクト・セクター指数との連動を目指しています。ヘルスケア・セレクト・セクター指数の対象銘柄は、米国の医薬・ヘルスケアなどです。

具体的なXLVの構成銘柄を見てみると、2020年11月19日現在、ジョンソンアンドジョンソンやユナイテッドヘルス・グループ、メルクやファイザーなど、世界的な企業が並んでいます。相対的に不景気にも強い銘柄たちで構成されているので、なるべく安定的な運用をしたい人におすすめといえるでしょう。経費率は0.13%です。

生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド(XLP)

生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド(XLP)は、生活必需品セレクト・セクター指数との連動を目指している米国株ETFです。2020年11月19日現在のXLPの構成銘柄を見てみると、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やウォルマート、コカ・コーラやコストコなど、XLPはまさに生活必需品を提供している世界的な企業に投資をしていることがわかります。

生活必需品を販売している企業は相対的に業績が景気に左右されないため、リスクを抑えて投資をしたい人にはおすすめでしょう。なお、経費率は0.13%です。

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まとめ:米国株ETFは種類が多く魅力が多い

米国株ETFには、リスク分散ができたり、リアルタイムで売買できたりといった4つのメリットがあります。もし、この記事を読んで、米国株ETFに興味を持った場合には、SBI証券やマネックス証券、楽天証券では様々な切り口で商品を探すことができるので、検索をしてみてはいかがでしょうか。検索をして、気になるETFがあったら、ぜひ経費率流動性投資スタイル分配金をチェックしてみましょう。

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※本記事は2020年11月25日現在の情報をもとに作成しています。掲載する銘柄は解説例であり、投資を推奨するものではありません。

文・庄司 あゆみ