インデックスファンドとは、株価指数など市場全体の指数と連動するように運用されている投資信託のことです。インデックスファンドが運用対象にしているさまざまな指数の中で、当記事ではS&P500を取り上げます。S&P500のインデックスファンドの基本や魅力、「つみたてNISA」を活用した投資法など、具体的なファンド名を交えながら実践的な解説をしていきたいと思います。

目次

  1. そもそも「S&P500」とは?
    1. S&P500は米国株式市場を代表する株価指数
    2. 米国の主要な上場企業500社の株価をもとに算出
  2. S&P500に投資するメリットは?
    1. 過去の推移から分かる、驚異的な成長力
    2. S&P500投資は、「世界経済への投資」である
  3. S&P500に投資ができる商品は投資信託とETF
    1. 指数に連動したインデックス運用
    2. 投資信託とETFの違い
    3. つみたてNISAでも投資できる投資信託を選ぶのが良い
  4. つみたてNISAとは?
    1. 国が用意している投資優遇税制
    2. つみたてNISA活用の投資シミュレーション
    3. つみたてNISAは投資タイミングを考える必要がない
    4. つみたてNISAは金融庁が選定した銘柄から選べる
  5. つみたてNISAでも投資できる「S&P500」のインデックスファンドを比較
    1. 投資信託購入の2大ポイント
    2. つみたてNISAで運用できるS&P500インデックスファンド比較表
    3. つみたてNISAでS&P500インデックス投資をするならおすすめはコレ
  6. 成長する分野に投資をして中長期投資で資産を増やそう

そもそも「S&P500」とは?

S&P500とはどんな指数なのでしょうか。まずは基本について押さえておきましょう。

S&P500は米国株式市場を代表する株価指数

株式大国のアメリカには、いくつかの有名な株価指数があります。日本でもおなじみの「ニューヨークダウ平均」やハイテク株中心の「ナスダック指数」は経済ニュースでも頻繁に登場するので見聞きしたことがある方は多いと思います。

それに比べると、当記事で取り上げるS&P500は一般にはあまり知られていない印象があります。しかし、実はS&P500は数あるアメリカの株価指数のなかでも代表的な存在であり、構成銘柄の多さゆえにアメリカの株式市場の趨勢を知るのに役立つ指標としても広く用いられています。

米国の主要な上場企業500社の株価をもとに算出

S&P500の「500」というのは、この指数の構成銘柄数です。つまりS&P500はニューヨーク市場に上場している銘柄のうち、主要な500銘柄で構成されているということです。工業株が400種、公共株が40種、金融株が40種、運輸株が20種といったように工業株にかなり偏った構成銘柄になっていますが、それは全上場銘柄の比率がそうなっているからです。

実にニューヨーク市場に上場している全銘柄の時価総額のうち75%程度をカバーしているため、S&P500を観察することによってニューヨーク市場の状況を知ることができます。

S&P500に投資するメリットは?

S&P500に投資をするメリットは、何といってもアメリカの株式市場の高い成長性です。「S&P500に投資する=アメリカ株に投資する」となるため、アメリカの株式市場が成長を続けてきたことが、そのままS&P500の成長に反映しています。

このS&P500に投資をするということは、アメリカの株式市場の成長力を自身の資産増につなげられるというわけです。

過去の推移から分かる、驚異的な成長力

S&P500の直近17年間の値動きを見れば、その高い成長性は一目瞭然です。

▽S&P500の直近17年の動向

出典:TradingView

2003年時点では840程度だったS&P500は、何度か調整を経ながらも右肩上がりの成長を続け、2020年11月時点では約3,600の高値をつけて、さらに上昇をうかがう勢いを見せています。成長率は、なんと約428%です。あくまでも仮定の話ですが、2003年当時にS&P500のインデックスファンドを買った人が今まで持っていたとしたら、資産が4倍以上に増えていることになります。

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長期チャートで見ると、日本の株式市場とS&P500との格差が浮き彫りになります。

まずは、日経平均株価の長期チャートです。

▽日経平均株価の直近17年の動向

出典:TradingView

最終的に成長をしているものの、途中で長い低迷期があります。これはまさにバブル崩壊後の「失われた10年」と呼ばれる時期で、日経平均株価は7,000円台をつけていました。

続いて、こちらも日本株の指数であるTOPIXもご覧いただきましょう。ちなみにTOPIXは東証一部に上場している全銘柄の平均株価を、1968年1月4日を基準に100として、それとの比較を指数化したものです。

▽TOPIXの直近17年の動向

出典:TradingView

こちらもやはり、S&P500のように右肩上がりとはいかず、上下を繰り返しながらの値動きです。このことから分かるのは、日本の株式市場が低迷や上昇を繰り返している間にも、アメリカの株式市場は右肩上がりの成長を続けていたということです。

S&P500投資は、「世界経済への投資」である

S&P500の構成銘柄は、ニューヨーク市場の中で主要な500銘柄です。500銘柄はすべてアメリカ企業ですが、ニューヨーク市場は世界最大の株式市場であり、世界の株式市場をリードする存在です。そのため世界経済の浮沈がそのままニューヨーク市場の株価に反応しやすく、もちろんS&P500も例外ではありません。

つまり、S&P500への投資は世界経済全体への投資と言い換えることもできるわけです。

S&P500に投資ができる商品は投資信託とETF

ここからは、S&P500に投資をする具体的な方法の解説へと進んでいきます。S&P500に投資をする代表的な方法としては、投資信託とETF(上場投資信託)があります。あまり馴染みがないかもしれないETFについての解説も交えつつ話を進めていきましょう。

指数に連動したインデックス運用

S&P500に限らず、こうした指数へ投資をするにはインデックスファンドという投資信託が最適です。それぞれの対象となる指数と連動するように運用されているので、S&P500インデックスファンドの場合はS&P500が上昇すれば、同じくインデックスファンドの価格も上昇します。

先ほどの解説のように、S&P500は世界経済全体の浮沈を表す指標としても機能しているので、世界経済全体が成長をすればS&P500も上昇し、それに合わせてインデックスファンドの価格も上昇します。つまり、インデックス投資をしている人の資産も増えます。

投資信託とETFの違い

S&P500に投資ができる商品には、投資信託やETFがあります。この両者はどちらも投資信託なのですが、ETFは証券取引所に上場している投資信託です。ETFとは「Exchange Traded Funds」の略です。

もう1つの違いとしては、投資信託は運用会社が自由に運用対象資産を組み立てることができるのに対して、ETFは株価指数をはじめとする市場のさまざまな指数と連動するものしかありません。つまり、ETFはすべてがインデックスファンドなので、インデックス投資の対象となります。

もちろんS&P500と連動するETFもあるので、インデックス投資の際には有望な選択肢の1つです。

つみたてNISAでも投資できる投資信託を選ぶのが良い

投資の目的は、「より多くのお金を残すこと」です。そのためには税金として納める分も将来のお金として残していくことができれば、より有利な運用ができます。そこで検討したいのが、資産運用の非課税枠がある「つみたてNISA」です。

S&P500によるインデックス投資でつみたてNISAを適用すれば、S&P500の高い成長力と非課税メリットの合わせ技で資産を増やしていくことができるので、インデックスファンドを選ぶ際にはつみたてNISAの対象となっているものを選ぶことをおすすめします。

つみたてNISAとは?

ここで「つみたてNISA」について、概要とメリットを解説します。

国が用意している投資優遇税制

つみたてNISAとは、将来や老後に向けた資産形成のために国が設けている税制優遇制度です。つみたてNISAを適用すると、20年間にわたって毎年40万円を限度とする投資枠から得られる運用益が非課税になります。S&P500の関連商品についても、毎年40万円分の投資までは利益が非課税となるため、その税金の分を将来のお金として残すことができます。

つみたてNISA活用の投資シミュレーション

20年間にわたって毎年40万円分の非課税枠があるということは、トータルで800万円分の非課税枠があることになります。このメリットにどの程度の威力があるのかをイメージしていただくために、つみたてNISAの非課税枠をほぼ最大限に使い、S&P500が今後も毎年7%の成長を続けたとするとどうなるのかを、金融庁のシミュレーターを使って試算してみました。

出典:資産運用シミュレーション(金融庁)

年間40万円の上限ギリギリまで使うために、毎月の積立額は3万3,000円としました。S&P500が7%の成長を続けると仮定したときの20年後の資産規模は、なんと1,719万1,000円(元本は792万円)です。黄色部分は運用益(約927万円)で、本来であればこの部分に約20%の税金がかかるのですが、つみたてNISAだとそれが無税になります。

つみたてNISAは投資タイミングを考える必要がない

投資で利益を上げるためには「安いときに買って高くなったら売る」という価格差益をイメージされる方が多いと思いますが、それはスポット的な投資(トレード)の場合です。S&P500の成長性に期待する積立投資の場合は毎月値動きをしている中で一定額を買い続けるため、いつから始めたとしても積立を続けていくにつれて購入額が平均化されていきます。

こうした投資方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれており、時間軸によるリスク分散手法として広く用いられています。つみたてNISAを限度いっぱいまで使うのであれば20年間の積立投資になるので、リスク分散効果はとても高くなります。

つみたてNISAは金融庁が選定した銘柄から選べる

すべての投資信託がつみたてNISAの対象になっているわけではありません。金融庁は積立投資向きであることや運用会社の信頼性などによって一定の基準を設けており、つみたてNISAが適用される銘柄はすべてその基準をクリアしています。元本保証ではないので100%の安全があるとは言い切れませんが、それでも金融庁の基準をクリアしているものから選べるのは、一定の安心感があると思います。

つみたてNISAでも投資できる「S&P500」のインデックスファンドを比較

つみたてNISAの対象となっている投資信託の中にはもちろん、S&P500を運用対象としているものがあります。複数の種類があるので、そこから最適なものを選ぶ方法について解説します。

投資信託購入の2大ポイント

投資信託はとても数が多く、S&P500に関連するものも豊富にあります。「プロに運用を任せるので安心」という宣伝文句がありますが、インデックス投資の場合は指数に連動するように機械的に運用しているだけなので、ファンドマネージャーの力量はあまり関係ありません。そこで重要になるのが、「流動性」と「投資コスト」です。

流動性とは、その投資信託の純資産残高の大きさです。あまり売買されていない不人気な投資信託だと売りたいと思っても簡単に売れないかもしれませんし、そもそも投資信託の運用自体が終了してしまうかもしれません。S&P500のようにメジャーなインデックスファンドであればその心配はあまりありませんが、投資信託を選ぶ際の基本の一つです。

もう一つ重要なのは、投資コストです。投資信託には購入時や運用中のコストがあるため、投資によるリターンを大きくするにはコストをいかに低く抑えるかが重要になります。この点においてインデックスファンドは機械的な運用なので運用側の人的コストがあまりかからず、その分信託報酬(運用手数料)も低く設定されています。

つみたてNISAで運用できるS&P500インデックスファンド比較表

2020年11月現在、つみたてNISAで運用できるS&P500インデックスファンドは、以下の8つです。

▽つみたてNISAで運用できるS&P500インデックスファンド

ファンド名 純資産残高 (単位:百万円) 信託報酬 運用会社
米国株式インデックス・ファンド

5,440

0.495%

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
iFree S&P500インデックス

15,705

0.2475%

大和アセットマネジメント
農林中金<パートナーズ>つみたてNISA米国株式 S&P500

3,005

0.495%

農林中金全共連アセットマネジメント
NZAM・ベータ S&P500

26

0.264%

農林中金全共連アセットマネジメント
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

1,983

0.0968%

三菱UFJ国際投信
つみたて米国株式(S&P500)

82

0.22%

三菱UFJ国際投信
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

89,229

0.0938%

SBIアセットマネジメント
Smart-i S&P500インデックス

243

0.242%

りそなアセットマネジメント

純資産残高で突出しているファンドがあることがわかります。これは運用について長い実績があることや、コストの安さなどから人気が集まっていることを表しています。

つみたてNISAでS&P500インデックス投資をするならおすすめはコレ

上記8つのS&P500インデックスファンドの中で、最も低コストなのは「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」です。世界的な資産運用会社であるバンガードの商品であり、実績や信頼性も十分です。ただし、このインデックスファンドはSBI証券でしか販売されていないため、この銘柄に投資をするためにはSBI証券の口座が必要です。

なお、純資産残高でも同ファンドが群を抜いているので、流動性も抜群です。2番手につけている「iFree S&P500インデックス」も実績のあるファンドなので安定感がありますが、前者と比べてコストが2倍強かかることがネックになります。

SBI証券に限らず、証券会社に口座を開設するのにコストは不要なので、バンガードのS&P500インデックスファンドに投資をするためだけにSBI証券の口座を持っておくことも決して損にはならないと思います。

成長する分野に投資をして中長期投資で資産を増やそう

インデックス運用の基本は、成長分野に投資をすることです。S&P500はその筆頭格のような存在なので、当記事ではS&P500インデックスファンドの積立運用について解説してきました。ここで当記事の内容を簡単におさらいしておきましょう。

  • S&P500は世界有数の株価指数であり、これからも成長力が期待できる
  • インデックス運用は長期投資なので税制の優遇措置も活用するべき
  • 長期投資で最も税制面で有利なのはつみたてNISA
  • 8つあるS&P500インデックスファンドにも特色がある
  • その中から最も有利なものを選び、それを購入できる証券口座を開設するべき

これらの基本を踏まえて、当記事では1つの答えを導き出しました。もちろん最終的に投資を決めるのは皆さん自身ですが、その判断の参考にしていただければと思います。

文・田中タスク
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、自らの投資スタイルを確立。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

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