本記事は、上岡正明氏の著書『自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています

一般人は「成長」で満足し、一流は「結果」を求め続ける

結果
(画像=Totallypic/PIXTA)

ここで、億単位の資産を築いているミリオネアと一般人、どこが決定的に違うのか、2点お伝えしたいと思います。

世間を騒がすようなミリオネアを見ると、知能指数が高い、経営センスがある、DNAが違う、育った家庭や環境が違うなど、自分とは異人種で、努力によってその領域に到達するのは不可能だと考える人が多いようです。

しかし、私はそうは思いません。

なぜなら、一流と呼ばれるビジネスパーソンやミリオネアは、生まれ持っての才能や恵まれた環境によって成功したのではなく、彼ら彼女らは一般人よりもはるかに努力を重ねて成功しているからです。

資産が億を超えているような人を見ると、ついつい私たちは、その人がはじめから大金持ちだったような錯覚を抱いてしまいます。しかし、その地位に上りつめるまで、数十年にわたって努力を重ね、「結果」を積み上げてきたからこそ、彼らは一流と呼ばれる人間になったことを忘れてはなりません。

彼らだって、時には地獄のような苦しみを味わったこともあるでしょう。ゼロから事業を始めて、人に騙されたり、社員に裏切られたり、何度も事業を失敗したこともあるでしょう。しかし、そのたびに努力を重ねて成長し、ステージアップをしてきたからこそ、今の地位を築けたのです。

ここに才能が入る余地はありません。才能という言葉を使う前に、「そのミリオネアと同じような努力をしてきたかどうか」を自分に問いかけてみるべきでしょう。

何か新しいことにチャレンジするとき、人は必ず不安になります。しかしその不安は、成長体験を重ねていくことでしだいに薄れていきます。成長のS字曲線を活いかしてブレイクスルーすれば、喜びに溢れ、不安は吹き飛んでしまうはずです。

しかし、ここで注意が必要なのです。

あなたが努力を重ねた理由は、「成長」するのが目的ではないはずです。

手帳に記した目的を達成するという「結果」を手に入れることが、あなたが努力する理由なのではないでしょうか。

高速仕事術が軌道に乗ってくると、自分の成長を実感でき、不安は喜びに変わっていきます。しかし、その成長で満足してしまうと、当初の目的だった夢や希望を達成していないのに、安心感からアウトプットをやめてしまったり、目的のハードルを下げてしまったり、「自分はこのくらいでいいか」と途中でやめてしまったりする人が非常に増えてきます。

ここがミリオネアと一般人との違いです。

ミリオネアになるほどの一流ビジネスパーソンは、常に「結果」を求め続けます。あくまでゴールに到達することが自分の目的だからです。成長したプロセスだけに満足せず、結果を求め続けたからこそ、彼らは今の地位に到達できたといえます

手帳にゴールを書き記し、それを何度も見直すことの意味はここにあります。小さな成功体験や成長に満足せず、究極の目的に向かって努力をし続けること。これこそ、ミリオネアと一般人を分けるボーダーラインです。

いかなるときも、努力を継続するだけです。そのボーダーラインを飛び越える資格は、誰もが有しています

ビジネスにおいて「運」など存在しない

成功している経営者はよく「自分は運が良かった」という言い方をします。

しかし、「運」という概念は、成功している人が言っている結果論であり、それを真に受けて「自分は運が悪い」と思い込むほどナンセンスなことはありません。

なぜなら、ビジネスにおいて「運」なんてものは存在しないからです。運だと思い込んでいるものは、実は確率論の話をしているにすぎないのです

仮に、サイコロを振って、1の目が出たら10万円もらえる仕事があるとしましょう。このとき、1の目が出た人は運がいい、それ以外の目が出たら運が悪いと考えてしまうのが人間というものです。

しかし、これを冷静に分析してみると、サイコロを1回振って1の目を出せる確率は誰もが6分の1であり、それ以上でもそれ以下でもない現象が起きているにすぎません

たとえば、24時間の間に何回でもサイコロを振っていい状況で、1の目が出たらその都度10万円をもらえる仕事ではどうでしょうか。

あなたは、サイコロを1万8000回振って、1の目を3000回出すことができたとしましょう。すると、3億円を稼ぐことができます。

しかし隣の人は、あなたより高速でサイコロを振ることができ、3万回振ることができたとしましょう。すると1の目は5000回出ることになり、結果5億円稼ぐことになります。

このときあなたは、自分が隣の人より「運が悪い」から、稼ぐことができなかったと考えるでしょうか。

いやそうではないはずです。「もっと速くサイコロを振ることができれば」と、自分の精神力の弱さや手の筋力の弱さなど、運ではない部分で、自分に原因があると考えるのではないでしょうか。

極端な例を出しましたが、現実のビジネスでも同様です。結局のところ、成功している人は、成功するまでにたくさんのサイコロを振っているから、一般人よりも富や地位を手にすることができているのです

この本では、アウトプットの重要性を何度もお伝えしてきましたが、アウトプットこそ「サイコロを振る」行為にほかなりません。そして、スピード感を持ってアウトプットすべき理由ももうおわかりでしょう。通常の人より10倍アウトプットすれば、それだけサイコロが当たる可能性が10倍に増えます。

だから、高速で仕事をこなしていくことが成功の秘訣なのです

人生において、サイコロを振れる回数は誰でも増やすことができます。ビジネスには「運」などなく、サイコロを振った分だけ成功する確率が上がる。ぜひ、このイメージを脳に焼き付けておきましょう。

自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術
上岡正明(かみおか・まさあき)
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役。MBA(情報工学博士前期課程)修了、多摩大学客員講師、一般社団法人日本認知脳科学協会理事。これまで上場企業や外資系企業を中心に1000社以上の広報PR支援、新規事業構築、外資系企業の国内外PRや海外プロモーションのコンサルティング、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「パンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機」、世界が注目する「食フェス」などがある。また、経営のかたわら大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)修了。学会で論文等を発表しながら大学での客員講師を歴任。同時に、日本テレビドラマ「ストーリーランド」をはじめとする脚本家、バラエティー番組の放送作家としても知られ、これまで「タモリのSuperボキャブラ天国」「めざましテレビ」「スーパーJチャンネル」「ズームイン!!朝!」等の人気情報番組を担当する。上梓したビジネス書は計11冊。中国、台湾でも翻訳本が出版されて累計55万部となる。また「日経ヴェリタス」「週刊ダイヤモンド」「東洋経済オンライン」、テレビなどで取材され、約6万人のチャンネル登録者を誇る人気ユーチューバーでもある。所属学会:法人日本脳科学認知協会、日本行動心理学学会、日本社会心理学学会、一般社団日本心理行動分析学会、日本神経心理学学会、一般社団法人小児心身医学会の各会員。

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