リップル社と米証券取引委員会(SEC)による暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)の有価証券問題に関する裁判で、SECが求めていた情報開示請求を裁判所が却下したことがわかった。

裁判
(画像=月刊暗号資産)

この情報開示請求は今月7日に提出されたもの。SECはリップル社がXRPの発行に際し受けていた法的助言に関する記録および書類の開示を求めていた。

裁判所は今回、このSECによる請求は不当であると判断した形だ。

Sarah Netburn判事はSECの請求を却下した理由について、「リップル社と弁護士とのやり取りには秘匿特権が存在している」と指摘。またこれを放棄する場合というのは、リップル社の抗弁の正当性を判断する上で秘匿情報を調べる必要性が生まれた時に限られると説明された。

今回の裁判所による判断を受け、リップル社側の弁護士であるJames K. Filan氏は、「SECは大きな打撃を受けた」とツイート。

また法律事務所Hogan & HoganのJeremy Hogan氏は、「裁判所はリップル社の(リップル社の)抗弁に関連しないと判断した。SECがこの抗弁と争うために使いたかった手段を塞いだことため、非常に重要なものとなった」とコメントした。

その一方で、Netburn判事は今回の判断について、「リップル社の抗弁を認めたわけではない」と言及しており、あくまでもSECの情報開示請求を否定しただけであって、抗弁には関係はないとの認識を示した。

リップル社とSECによる裁判は昨年12月から始まっている。SECは、これまでにリップル社が未登録の有価証券であるXRPを数十億円相当販売したと主張している。

一方のリップル社側はこれを否定し、暗号資産であると主張。さらに、SECに対してビットコインとイーサリアムが有価証券に当たらない理由を求めるなど、双方が立場を譲らない状況となっている。

この裁判の行方はリップル社の今後やXRPの価格はもとより、暗号資産業界にも大きな影響を及ぼす可能性が非常に高いため、引き続き今後の動向に注目が集まる。(提供:月刊暗号資産