夏季・冬季オリンピックを主催する国際オリンピック委員会(IOC)とビデオゲーム開発会社であるnWay社は3日、NFTに対応したオリンピックピンバッジとクロスマルチプレイヤービデオゲームを組み合わせた新たなデジタルエンターテイメントサービスを近日公開すると発表した。
NFT化されたオリンピックピンは、コレクションおよび交換可能なオリンピックピンのデジタル版として位置付けられ、2021年6月17日からnWayPlay.comで配信・販売される。
また、1964年の東京オリンピックをはじめ、過去に開催されたオリンピックを記念したデザインのオリンピックピンが販売される。このオリンピックピンはNFTであるため、真贋や所有歴の証明を可能にするなどといった特徴を持つ。
IOCによると、今回の取り組みはnWay社とIOCとのライセンス契約の一環として行われるという。このオリンピックピンの入手方法は以下の通りだ。
- nWayPlay.comでパックを購入する
- nWayが提供するnWayPlay Marketplaceで他のコレクターから特定のピンを直接購入する
- 2022年冬季オリンピックである北京大会に向けて開始されるオリンピックをテーマにした対戦型ビデオゲームをプレイし無料で入手する
IOCテレビ・マーケティングサービスのマネージングディレクターであるTimo Lumme氏は、「オリンピックピンは、アスリート、審判員、役員を識別するための手段として始まった。しかし過去125年の間に、アスリートや観客などがオリンピック村やそれ以外の場所でピンを集めたり交換したりするようになるなど、オリンピックの伝統となっている」とコメント。
さらに、「本日の発表はこの伝統が自然な形で進化を遂げたことを表し、オリンピックアジェンダ2020+5と、新しいデジタル技術を取り入れたことでオリンピックの価値を広め、ファンとの直接的な関係を深めるというIOCのデジタル戦略に沿ったものだ」とつけ加えた。
今年7月から行われる予定の東京オリンピックは、新型コロナウイルスの流行によって海外のスポーツファンの受け入れが断念された。こういった状況を踏まえると、従来通りのオリンピックピンの交換は難しいものとなる。
一方、NFTであれば、デジタルでありながら物理的なピンと同様に希少性と所有権が証明できる。
つまり、物理的なピンの交換はできなくても、実質的にオリンピックピンを保有することができるという試みはユニークなものであると言えるだろう。(提供:月刊暗号資産)