自己資本比率というものをご存じだろうか。会社を経営している方であれば、銀行融資について検討している際に、自己資本比率が高いとか、低いとかいう話をきいたことがあるかもしれない。今回は、企業の財務分析の基本である自己資本比率についての話を中心に、他にもさまざまな指標について紹介する。
目次
自己資本比率でわかることは何か
自己資本比率は、一般に、企業の安全性の指標として活用される。自己資本比率は、すべての資産に対する自己資本の割合であり、自己資本比率が高いほど安全性が高いと言われる理由は、その性質に依存する。
自己資本と他人資本
会社の資本は、自己資本と他人資本に大別される。自己資本は、一般に返済不要の資金とされ、利益が出ている場合には配当を求められる場合もあるが、そうでない場合や特に中小企業の場合には、キャッシュアウトを生まないことが通常である。
逆に他人資本は、返済が必要な資金と言われる。典型的なものが金融機関からの借入だ。定期的な利息の支払とともに、元本の返済も求められ、キャッシュアウトを生むことになる。
自己資本比率が高い場合は、将来のキャッシュアウトが小さいことを示している。その状態は、より安全性が高いことになり、経営が安定していくと推測される。
十分な自己資本比率とは
では、どの程度の自己資本比率があれば、十分なのだろうか。一般に、自己資本比率が70%以上であれば理想的な状態、40%以上であれば一応安全な企業であるといえる。金融機関の借入の査定上も、自己資本比率が50%を超えていれば、安全な会社と判断される可能性が高まる。
仮に、自己資本比率がマイナスであれば、数年以内にその状態を解消できるような合理的な計画を立案しなければ、融資を受けることもままならないであろう。そのため、可能であれば自己資本比率50%以上を維持し、最低でもマイナスに陥るのは避けたいところである。