自己資本比率のチェックポイント

単に自己資本比率が高いから良い、低いから悪いというものではない。自己資本比率が高くても収益性が低い場合もある。また自己資本比率だけでなく、中身を見ることも必要だ。自己資本比率が高くても現金や普通預金が少ない場合は注意したい。逆に自己資本比率が低くても負債の多くが短期借入金であれば、次期には自己資本比率の改善が期待できる。

自己資本比率を高めるための3つの方策

自己資本比率が高くなると、どのような経営が実現可能なのだろうか。自己資本比率が上がることは、他人資本比率が低くなることを意味する。他人資本比率が低くなれば、キャッシュアウトが少なくなることにより、資金繰りが楽になり、資金繰りを気にしない経営を実現することが可能になる。

1.利益を自己資本に回す

自己資本比率を向上させるには、どのような施策をとる必要があるだろうか。まずは、利益をしっかりと自己資本に回すことである。あたりまえのことだが、なかなかできていない会社が多い。通常、利益が出た場合、何も考えずに経営をしていると、投資や消費に回してしまう。

それは、使わずにとっておいた場合、法人税などの税金がかかってしまうからである。税金がかかることを恐れるあまり、利益をすべて使ってしまっていては、いつまでたっても自己資本比率は向上しない。

そのようなことをなくすには、年度計画をしっかりとたて、計画通りに資金を使っていくことを習慣にすることが肝要だ。

2.遊休資産の売却

2つ目の方策は、遊休資産の売却である。遊休資産や不良在庫などを売却し、その資金で借入金を返済するのである。ここで注意すべきことは、実際の簿価と時価が異なる場合も多いことだ。

含み損のある資産を売却した場合、簿価ベースでは自己資本比率の改善にはあまり貢献しない。かえって、簿価ベースでの自己資本比率を下げる結果となることもある。しかし、今後も遊休であることが見込まれる資産については、積極的に資金に代えるという決断をすることも必要であろう。

3.役員借入金を資本金へ

さらには、役員借入金を資本金に振り替えるといった施策も有効である。中小企業で自己資本比率が低い会社の場合、金融機関からの借入金以外に、役員からの借入金も多額になっていることも多い。

そのような場合、役員借入金を現物支給という形で資本金に振り替えるという施策により、自己資本比率を向上させることが可能である。