自己資本比率の計算方法

自己資本比率は、非常に単純な計算式で算出することが可能である。自己資本比率は、

・自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100

の計算式で計算される。総資本に対する自己資本の割合ということである。計算式としては単純であるが、それぞれの「自己資本」「総資本」にどのような数値を採用するかということが、実は悩ましいポイントでもある。

通常公表されている貸借対照表を活用すれば、簿価ベースでの自己資本比率を求めることができる。この方法は非常に簡易であるために、多くの会社を横並びで分析する場合等に向いている。

しかし、土地や関係会社株式などに対する含み損益が反映されていないため、時価ベースに引き直したうえで、さらに時価引き直しによる税金の影響も反映したうえで、自己資本比率を算定する場合もある。これは、簿価ベースでの自己資本比率では実態を反映していないとみられる場合などに効果的だろう。

自己資本比率の高い会社の例

上場企業は、毎年の決算が有価証券報告書として公表されている。そのなかからいくつか、自己資本比率の高い企業をみていきたい。

株式会社キーエンス

まずは、従業員の年収ランキングで常連である株式会社キーエンスである。株式会社キーエンスは、自動制御機器(PLCと周辺機器)、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業で、大阪府大阪市に本社をおいている。

2020年3月期の決算をみてみると、連結ベースで総資産1兆8,360億1,800万円のうち、純資産1兆7,580億8,300万円と自己資本比率が95.8%と非常に高い比率だ。この非常に高い自己資本比率が、高い経常利益率を支えている一因であるといえるだろう。

株式会社しまむら

株式会社しまむらは、日本の郊外を中心に多数の店舗を持つ衣料品チェーンストアだ。日本の全都道府県に店舗を持つほか、台湾などへも店舗を展開しており、国内の売上高は業界第2位である。

株式会社しまむらは、同業他社である株式会社ファーストリテイリングと比べると、スローペースで成長してきた企業だ。そのため、長い期間にわたって自己資本を蓄積させており、自己資本比率の高さに貢献している。

2020年2月期の決算をみてみると、連結ベースで総資産4,079億8,100万円のうち、純資産は3,659億100万円で、自己資本比率89.7%と9割近い比率になっている。

ファナック株式会社

ファナック株式会社は、日本の電気機器メーカーである。TOPIX Core30銘柄という日本を代表する大企業で、山梨県南都留郡忍野村に本社を置き、研究開発を中心とした事業を展開する。

2020年3月期の決算をみてみると、連結ベースでの総資産1兆5,124億9,900万円のうち、純資産は1兆3,628億6,500万円で、自己資本比率は90.1%と、9割を超える水準となっている。

特に、負債合計1,496億3,400万円に対し、現金および預金が4,058億6,100万円となっており、負債を期末日時点の現金および預金で2.7回払えてしまうという、資金繰りに悩んでいる中小企業からはあまりにもうらやましい財政状態となっており、非常に安全性が高いといえるだろう。