厚生労働省の調査から見て取れる就活セクハラの実態

これらの就活セクハラの実態は、厚生労働省の調査として2021年3月に発表された「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書からも見て取れる。

就活セクハラを受けた経験がある女性は25%に上り、その内訳は「何度も繰り返し経験した」が2.9%、「時々経験した」が6.7%、「一度だけ経験した」が15.5%となっている。

そして、就活セクハラの内容としては「性的な冗談やからかい」が最も多く、5割近くに上っており、その後、「食事やデートへの執拗な誘い」「性的な事実関係に関する質問」「不適切な身体への接触」と続く。「性的な関係の強要」も10%弱に上る。

この調査では、セクハラ行為を受けた場面についてもアンケートを取っている。最も多かったのは「インターンシップに参加したとき」で40%弱となっており、「企業説明会やセミナーに参加したとき」「就職採用面接を受けたとき」と続いている。

そして10%には満たないものの、「SNSや就活マッチングアプリを通じて志望先企業の従業員とやりとりや相談などを行っていたとき」や「大学のOB/OG訪問のとき」と答えた女子学生もいる。

セクハラ被害を減らすためには

このようにして就活セクハラの実態に目を向けると、企業担当者によるセクハラと、企業が関与できないOB訪問などでのセクハラという、2種類の就活セクハラが起きていることが分かる。

前者については企業側の対策が求められるが、後者に関してはなかなか有効な対策がとりにくいのが現状だ。そのため現時点では、就活生側も被害に遭わないよう、OB訪問をしないようにするといった対応策をとるしかない。

また、セクハラ被害は就職後に受ける可能性もある。このような可能性を低くするには、就職を目指す企業選びが重要だ。

例えば厚生労働省は、女性管理職が多いなどの条件を満たした企業を「女性の活躍推進企業」として認定し、「えるぼしマーク」を与えている。このえるぼしマークの認定を受けた企業から就職活動先を絞っていくのも1つだろう。

また、同省は「女性の活躍推進企業データベース」を運営しており、このデータベースから男女の平均勤続年数の差異などを調べることもできる。

今後より求められる防止策

就職活動は、学生にとって社会人としての第一歩となる。その企業に就職したいという思いにつけこむ行為は、到底許されるものではない。国や企業をあげた防止策が今後、より求められる。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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