本記事は、村松由美子の著書『話し方に自信がもてる 声の磨き方』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています

人前で話すときの5つのポイント

スピーチ
(画像=PIXTA)

人前で話すときの5つのポイント

では、どうすれば聞き手にすんなりと受け取ってもらえる話し方ができるのでしょうか?

それは、「聞き手にとってのわかりやすさ」を意識することです。

ポイントは5つあります。

一文は短く話す

一文が長い文章は、聞き手の思考に切れ間を与えません。そのため、何が言いたいのかがわかりづらくなります。ですから、長い文章はなるべく句点(文末につける「。」)で区切り、一文をできるだけ短くします。話をする際は、そこで「間」を入れることを意識しましょう。

× マッサージの仕事を、そうですね、もう本当に長くやっていまして、こんなに普及するずいぶん前から、いろんなところに人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりしていて……

○ マッサージの仕事を、もう本当に長くやっていますこんなに普及するずいぶん前から行っていますいろんなところに人間の体の仕組みについての勉強をしに行きました

こんな具合です。

句点を打つ場所は、接続する語でつなげる場所です。話していると「~して、~ですが」など文章をつなぐ接続する語を入れたくなりますが、ここで句点を打ちましょう。

そうすることで、ひとつの文章にひとつの事柄だけを書く、「一文一義」の文章にすることができます。

抽象表現は具体的にする

抽象的な表現が多いと具体性に欠けるため、説得力がありません。

また、聞き手によって解釈が異なるため、「聞いていた話と違う」などとトラブルの元になりがちです。

抽象表現を具体的にするだけで、聞き手にとってはイメージしやすく説得力のある文章になります。

× マッサージの仕事を、もう本当に長くやっていまして、こんなに普及するずいぶん前から、いろんなところに人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりしていて……

○ マッサージの仕事を約20年やっていまして、養成学校やプロが主宰する勉強会などに、人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりしていて……

このように、抽象的な表現をしている箇所を、数字や具体名に置き換えることで、聞き手はラクにイメージできるようになります。

専門用語は使わない

聞き手にわかりにくいと思われる箇所は、噛み砕いて説明したり、補足説明を加えたりします。自分の当たり前は相手の当たり前ではないことを常に意識しましょう。

× 筋膜の癒着についてはとにかくたくさん調べて……

○ 肩こりや首こりの原因になる筋膜の癒着についてはとにかくたくさん調べて……

不要な情報は入れない

聞き手にとって不要な情報はカットします。それだけでも話はずっとわかりやすく、伝わりやすくなります。

× えっと、私は今日、JRと地下鉄を乗り継いで、40分くらいかけてここまで来ました
マッサージの仕事を、そうですね、もう本当に長くやっていまして、こんなに普及するずいぶん前から、いろんなところに人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりしていて……

○ 私はマッサージの仕事を長くやっています。いろんなところに人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりしていて……

語尾までしっかり話す

「最後まで言わなくてもニュアンスでわかるだろう」と考えて、語尾を言い切らずにぼかしてしまうと、何が言いたいかわかりづらく、無責任な印象を与えることもあります。ですから、語尾は最後までしっかり話しましょう。

× 仕事の幅が広がってきたなーっていうふうに思っています。
今日はさらに活動の幅を……どうぞよろしくお願いいたします。

○ 仕事の幅が広がってきたなーっていうふうに思っています。
今日はさらに活動の幅を広げるために学びにきました。どうぞよろしくお願いいたします。

ここまで紹介した5つのポイントを使って自己紹介をすると、次のようになります。

はじめまして、○○○○と申します。
私はマッサージの仕事を約20年やっています。
養成学校やプロが主宰する勉強会などに、人間の体の仕組みについての勉強をしに行ったりもしています。肩こりや首こりの原因となる筋膜の癒着についてはとにかくたくさん調べて、施術もしています。その点は、誰にも負けない強みです。
最近では、数百人が集まる講演会にも呼ばれて、マッサージの話をすることもあります。仕事の幅が広がってきたなと思っています。
今日はさらに活動の幅を広げるために学びにきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

ずいぶんスッキリとして、わかりやすくなったのではないでしょうか。

こんなふうにポイントに沿って話を整理するには、あらかじめ自分の話す内容を書き出してチェックしておくといいでしょう。

「えっ、そんなめんどくさいことを……」という声が聞こえてきそうですが、5つのポイントが身につくまでは、そうすることをおすすめします。

なぜなら、書き出して推敲することで、自分の情報発信のクセがわかるからです。

自分の発信する情報には何が足りないのか、逆に、何が余計なのか。そこがわかってくると、情報発信がどんどんスムーズになって、聞き手に理解してもらいやすくなります。

決まった時間内では、情報量が少なければ少ないほど伝わりやすいものです。

ですから、話す前に、できるだけ話す内容を推敲して、情報量を絞ってから話し始めましょう。

話し方に自信がもてる 声の磨き方
村松由美子(むらまつ・ゆみこ)
一般社団法人感動ヴォイス協会代表理事。感動ヴォイスクリエイター。 伝え方コンサルタント。専門健康心理士。
京都生まれ。大学在学中にテレビのレポーターとしてはじめて「伝える」仕事を経験。就職した企業では広報・IRとしてプレゼンテーションを実施。 その後、フリーアナウンサーに転身。テレビ・ラジオのニュースキャスターをベースに、パーソナリティ、レポーターなどを務める。ナレーション・CM ソングを担当したラジオCMが2年連続ACC広告賞受賞。2009年、桜美林大学大学院に入学し、身体心理学における声とメンタルの関係を研究。ヴォイササイズ(声のエクササイズ)で声が変化すると同時に、メンタルアップと印象アップの両方の効果が出ることを、世界ではじめて実証する。2011年、その研究結果を論文にまとめ、ヨーロッパと日本の健康心理学会で発表。2014年、一般社団法人感動ヴォイス協会を設立。
現在は、企業研修講師、セミナー講師として全国で活動し、主にヴォイス・プレゼンテーション・コミュニケーション・メンタルを軸にさまざまな分野 のセミナー・研修を行っている。これまでの総受講者数はのべ4万人におよび、受講者満足度も98%と高い評価を受けている。受講者や聞き手を惹きつけ、突き動かしていくための感動ヴォイスを起点にした、感動の空気・空間づくりができる感動ヴォイステラーを育成・支援している。

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