クレジットカードの利用や日々の買い物などでポイントを貯めている方は多いと思います。今やポイントシステムは多くの業種に普及しているので、財布の中にはさまざまなポイントカードが入っているという方も多いのではないでしょうか。ポイントがもらえる買い物やサービスの利用をしているのに、ポイントをもらわないのはもったいないことです。しかも、今では1つのポイントシステムに集約することでさらにポイントを効率よく貯めることができるので、ポイントシステムを上手に使いこなすかどうかでオトク度が大きく変わってしまいます。

ポイントを効率よく貯めるために知っておきたいのが、「経済圏」です。最も有名なのは「楽天経済圏」ですが、最近になってソフトバンク、ヤフー系の「PayPay経済圏」もポイントシステム競争に名乗りを上げてきました。いずれも同一のグループに買い物やサービスの利用を集約することでポイントを効率よく貯めることができるので、こうした仕組みを熟知して使いこなすことで大きな節約にもなります。

そこで今回は、経済圏の2大勢力ともいえる楽天経済圏とPayPay経済圏についての比較や、こうした経済圏を利用することの重要性について解説していきたいと思います。

ネット上に続々誕生している「経済圏」とは

楽天とPayPay、2大「経済圏」が示すオトクなお金の使い方、守り方
(画像=Mymemo/stock.adobe.com)

ネットショッピングや銀行、証券会社、クレジットカード、携帯電話など、生活にまつわるさまざまなサービスを同一の企業グループが提供しています。同じ企業グループ内で優遇制度を設けているほか、便宜が図られているのが「経済圏」です。

有力な経済圏として挙げられるのが、楽天経済圏とPayPay経済圏です。いずれもIT企業を母体にもつ企業グループで、それぞれの経済圏にサービスを集約することでポイントの還元率が高くなったり、割引を受けられたりするといった特典があります。

「経済圏」を利用するのとしないのとでは大きな差

1つの経済圏には、ネットショッピングやクレジットカード、携帯電話、ネット回線、銀行、証券会社、旅行会社、保険など、実に多くのサービスがラインナップされています。まさに、1つの経済圏だけで生活に必要なサービスを完結できるといってもよいでしょう。

その時の気分やお付き合いなど、さまざまな事情でこうしたサービスをバラバラに利用しているのであれば、いずれかの経済圏に集約するのが断然オトクです。

例えば、楽天市場でネットショッピングを利用している人が同じ楽天経済圏である楽天モバイルの携帯電話を利用すると、利用料金に対して付与されるポイント加算率がプラス1倍になります。これと同様に同じく楽天経済圏のクレジットカードである楽天カードの引き落とし口座を楽天銀行に設定し、そのうえで楽天市場での買い物を利用するとポイント4倍といったように、サービスを集約していくほどポイント加算率が高くなっていくのがわかります。

こうした仕組みはPayPay経済圏や、その他の経済圏に近い企業グループにも見られます。どれか1つの経済圏に利用するサービスを集約することはとても戦略的で、生活防衛につながります。

日本の2大「経済圏」は楽天とPayPay

先ほどからご紹介しているように、日本国内にはこうした経済圏の2大勢力として楽天経済圏とPayPay経済圏があります。この他にも同じポイントシステムを共通で使える陣営があるので、同じポイントシステムに利用サービスを集約しても同様の効果が得られます。しかし、同一の企業グループでここまで陣営がしっかりと構築されているという意味では、この2大勢力が有力といえます。

重要なのは、この2大勢力以外であっても異なるポイントシステムにまたがってサービスを利用していると優遇を受けにくくなるため、利用しているサービスにこだわりがないのであればできるだけ集約したほうがオトクになるという点です。

楽天経済圏とPayPay経済圏の実力比較

これから新たに1つの経済圏に利用サービスを集約しようとお考えの方にとって、2大勢力である楽天とPayPayのどちらがよいのか、そこが気になる部分だと思います。そこで両経済圏の特徴を簡単にご紹介しましょう。

楽天は、日本国内でこうした経済圏を最も早く構築してきた草分け的存在です。早くから手がけてきたこともあって一日の長があるのは間違いないでしょう。何といっても付与されるポイントの使い道が広く、日本最大級のショッピングモールである楽天市場で現金と同じように使えるのは大きいと思います。また、同じ経済圏である楽天証券ではポイント投資といってポイントで株式投資をすることも可能です。

もう一方のPayPay経済圏は、新興勢力です。ソフトバンク傘下のZホールディングスに属する金融やネットサービスなどをPayPayブランドに統一することで構築されました。PayPayはその名称からもおわかりのように、スマホによるキャッシュレス決済の最大手です。傘下には同じく国内トップシェアのポータルサイトであるYahoo!Japanや、すでに8,000万人以上のユーザー数を誇るLINEを擁しており、こうした強みは楽天にはないものです。PayPay経済圏に属するサービスを3つ利用することにより、ポイントの加算率がアップします。

2021年の時点では楽天有利だが

当記事の作成時点である2021年は、まだまだ楽天経済圏の知名度やサービスのラインナップ、ポイントシステムともに完成されている感があり、優位であるように見えます。やはり早くからこうした経済圏を構築するために取り組んできたことによる一日の長は否めないでしょう。事実、同一経済圏を利用することによるポイント優遇を目的に楽天系のサービスを利用している人も少なくありません。

それに対してPayPay経済圏はまだまだ始まったばかりの印象なので、今後の成長余地は大いにあると思います。Yahoo!JapanやLINEといった国民的なサービスを擁していることで知名度はすでに高く、PayPay経済圏の潜在的な人数はとても多いといえるでしょう。今後は競争力を高めるために新たなサービスや優遇措置を打ち出してくることも十分考えられるので、PayPay経済圏の利用価値は高まっていくと思われます。

「経済圏」をうまく利用してマネーリテラシーを高めよう

当記事では同一の企業グループが構成している経済圏について解説し、その中でも有力な2大勢力である楽天経済圏とPayPay経済圏について解説してきました。知名度が高く有力な経済圏であることからこの2つをご紹介しましたが、こうした仕組みは企業にとってユーザーを囲い込む重要な戦略なので、今後新たな経済圏が登場してくることでしょう。ここでご紹介した2大勢力よりも魅力的な経済圏が登場してくるようであれば、その利用を検討する余地は十分あります。

こうした動きを受けて重要になるのは、ユーザー側の認識と立ち回りです。経済圏というものが存在し、それをうまく利用することで現金とほぼ同価値であるポイントを効率よく貯めることができる事実を知っていただくことも、マネーリテラシーの1つだと思います。

ポイントの加算率が「1倍」と「2倍」では、貯まるポイントに大きな差が出てきます。しかもそれぞれの経済圏で提供されているサービスは長く利用していくものも多く、時間がたつごとにその差はどんどん大きくなっていきます。しかも同一の経済圏に利用サービスを集約していくとポイントの加算率が3倍、4倍、もしくはそれ以上になっていくのですから、これを知らないこと、利用しないことがいかに損であるかおわかりいただけると思います。

(提供:Incomepress



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