最近ではアライアンスによって課題を解決する企業が多く見られる。特に成長スピードやリソース不足、コスト面で悩みを抱えている場合はぜひ選択肢として検討したい。本記事でアライアンスの概要やポイントを理解し、自社に適しているか慎重に判断していこう。
目次
「アライアンス」の意味とは?類義語や関連ワードも合わせてチェック
ビジネスの場における「アライアンス(直訳:同盟、縁組)」とは、複数の企業が利益を生み出すために協力関係を築くことを指す。具体的なものとしては、技術提携や販売提携をイメージすると分かりやすいはずだ。
アライアンスは多くの企業から経営戦略として注目されており、最近では中小企業同士で実施する光景も珍しくなくなった。
アライアンスの使い方の例
アライアンスはさまざまな場面で使用されるため、以下では使い方の例をいくつか紹介しよう。
【例文1】最近では多くの企業がアライアンスを計画している。
【例文2】アライアンスを結んだことで、開発スピードが著しくアップした。
【例文3】シナジー効果を実現させるために、A社とB社はアライアンスを組んだ。
【例文4】十分な議論を重ねたことで、アライアンス全体がうまく機能した。
【例文5】自社に最適なアライアンス企業を募集した。
上記の【例文1】~【例文3】は、いずれも「提携」や「協力関係」の意味合いでアライアンスが使われている。一方で【例文4】や【例文5】のように、協力関係を結んだグループそのものをアライアンスと言うこともある。
アライアンスの類義語や関連ワード
アライアンスには多くの類義語や関連ワードがあるため、ほかの言葉と混同してしまうケースも少なくない。そこで以下では、特に押さえておきたい類義語や関連ワードをまとめた。
・アライアンスの類義語…同盟、連合、提携、協定、協力、協業、縁組など。
・アライアンスの言い換え…日本語では「企業同盟」や「企業提携」と訳すことが多い。
アライアンスはすでに浸透しているビジネス用語であり、日本でも1990年代後半から一般社会で使われ始めた。交渉の場で使用されることも多いため、特に関連ワードの意味はきちんと理解しておこう。
請負、業務資本提携との違い
アライアンスの関連ワードについては、「M&A」「請負」「業務資本提携」との違いも押さえておきたい。主な違いとしては、契約を結ぶ企業同士の関係性が挙げられる。元請けと下請けに分けられる請負には、企業間の上下関係が存在する。業務資本提携についても、基本的には株式交換や株式売買などによって提携が進められるため、親会社と子会社などの上下関係が生じてくる。
一方で、アライアンスの当事者同士は対等な協力関係(パートナー)にあたるため、資本力などに違いがあっても上下関係は存在しない。ただし、広義のアライアンスは「複数社が協力関係を築くこと」といった意味なので、場合によっては業務資本提携などもアライアンスに含まれることがある。
アライアンスとM&Aの違い
M&Aとは、Mergers and Acquisitionsのことで、日本語で「合併と買収」を表す言葉だ。ある企業が他の企業を買収・売却したり、合併・分割したりすることを指す。M&Aには、大きく分けて「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つの方法がある。
・株式譲渡
株式譲渡とは、売り手企業の株式を買収会社に譲渡する方法である。そのため売り手企業は、買収会社に合併されたり買収会社の子会社になったりすることが多い。
・事業譲渡
一方、事業譲渡は会社全体ではなく一部の事業のみを買収会社に譲渡する方法である。そのため売り手企業の本体は、そのまま独立して存続することになる。
アライアンスとM&Aの大きな違いは、その効果と資本の移動だ。それぞれの違いは、次のようになっている。
・効果の違い
アライアンスとM&Aは、どちらも実施することで経営基盤の強化やシェア拡大などの効果がある。それに加えてM&Aでは、売り手企業の後継者問題の解決といった効果ももたらす。
・資本の移動の違い
アライアンスは、資本移動を伴わない協力関係だが、M&Aは資本の移動を伴う協力関係である。またアライアンスは資本移動を伴わないため、当事者同士は対等な協力関係(パートナー)だ。一方でM&Aは、買収会社のほうが大きい力を持つことが多い。