米暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)が12日に発表した独自のNFT(非代替性トークン)プラットフォーム「Coinbase NFT」。独自にNFTを作成、発見、展示することが容易にできるサービスで2021年後半にサービス予定となっている。
13日に早期アクセスへの事前登録が公開され、すでに110万人を超える申し込みが殺到しているという。コインベースはNFTプラットフォーム解説に関するブログ記事を公開していた。
Coinbase NFTではイーサリアムベースのERC-721とERC-1155をサポートしており、将来的には他のブロックチェーンにもサポートを拡大する予定だ。
コインベースの製品担当バイスプレジデントのSanchen Saxena(サンチャン・サクセナ)氏は、事前登録のトラフィック量が急増したことで、一時的にサイトへのアクセストラブルが生じ、「たくさんの人々に登録いただいている。皆さんの関心に感謝する。私たちのサーバーには今、非常に大きな負荷がかかっており、当社のチームはこれを解決するため懸命に取り組んでいます」とツイート。多くのユーザーが参加していることに対し嬉しさを覗かせた。その後システムは復旧した。
Coinbase NFTではユーザーがNFTを作成、展示、検索することが可能になっている。そしてユーザーが自分のウォレットを使い、トークン管理する方法を採用している。また、このプラットフォームでは顧客身元確認(KYC)を行わない方針をとっている。
これについては、「簡単に使えるユーザーフレンドリーなインターフェイスを構築しNFTを利用しやすくする。他のユーザーとの会話、新作品を発見できるソーシャル機能を設置する」と説明している。プラットフォームはクリエイターのコミュニティを成長させ、アーティストとファンの双方にメリットをもたらすことが見込まれるという。
コインベースには2021年第2四半期で6800万人のユーザーがおり、月間アクティブユーザーは880万人にものぼる。NFTマーケットプライスがスタートすればOpenseaなど、他のNFTマーケットプレイスとの競合になることは間違いない。
Openseaの月間アクティブユーザーは26万人で、過去1ヶ月間に249万件のトランザクションを実行した。コインベース以外にも大手暗号資産取引所はNFTマーケットプライスに参入している。FTXやバイナンスはそれぞれ独自のNFTマーケットプレイスを立ち上げた。バイナンスNFTは6月にローンチし、FTXは先月ローンチしたばかりだ。
日本ではコインチェックとGMOコインがサービスを開始し、楽天やSBIも参入を表明している。NFT業界は今さらに盛り上がりを見せようとしている。(提供:月刊暗号資産)