本記事は、大嶋信頼の著書『毎日がうまくいく朝のスイッチ』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています
自分のやるべきことに力を集中するスイッチ
「今の生きる目的は?」と誰かに聞かれたら答えに困ってしまいませんか。私もです。ただ、単純に何も考えずに答えてみたらどうでしょう?
「家族を養うために生きる」でもいいし、「お金を稼ぐために生きる」というのもありです。「おいしいものを食べるために生きる!」だっていいでしょう。「真実を追究するために生きる!」というのもかっこいいかもしれません。
お子さんがいたら「子どもを立派に育てるために生きる」もありですし、年配の方は「孫の顔を見るために生きる」でもいいでしょう。
イエスキリストだったら「神の御心のために生きる」となっていたでしょうし、ブッダだったら「無を生きる」というのがそれになるのかもしれません。
何が正しいか間違っているか、というものはなく、また別に人に発表する必要もないので、「今の生きる目的」を自分で決めればいいのです。
ただやることは、それを朝起きた時に頭の中で言い切ってしまうということ。
「お金を稼ぐために生きる」というのが、不健全だとか、意地汚いだとかいう外野の声はどうでもいいのです。
自分がそう思ったら、朝起きた時に「私はお金を稼ぐために生きる」と堂々と言ってしまいます。
自分のやるべきことに集中できるようになる
このスイッチの効果は「自分が持っているエネルギーを一点に集中することができる」というものです。
たとえば「家族を守るために生きる」とこのスイッチで宣言してしまえば「家族に関係ないことは必要ない!」という感じで近所のおばさんの噂話に心を揺さぶられなくなります。なぜなら家族に危害が加えられなければいい、とエネルギーがフォーカスされるから。
「お金を稼ぐために生きる」と宣言してしまえば「ムダな買い物はしない!」と貯金が楽しくなってきます。
そうすると上司の悪口などはどうでもよくなって、自分の職能を上げることに集中することができ、上司に適当にゴマをすることだって苦じゃなくなります。
誰が、自分の給料を上げる評価をしてくれるのかがわかるようになると、そこにエネルギーを集中することができて、ブレることがないから仕事を楽しめるようにもなっていくでしょう。
このように、毎朝宣言することで自分のやるべきことのすべてに迷いがなくなり、ムダなことをしなくなり、どんどん目的に向かって努力を積み重ねることができるようになっていきます。
「美しくなるために生きる」でストレスから解放されたEさん
Eさんは、すぐに人の話を真に受けてしまって、人に振り回されてしまいやすいタイプでした。
友達が失恋話で悩んでいたら、その話を真に受けて聞いてしまい一緒に悩んでストレスを感じる。でも、その友達と次の週に会ったら「え? あれだけ悪口を言ってたのに元に戻ってしまったの?」と愕然とし、「私のあのストレスと悩んだ時間はなんだったんだ?」と虚しくなってしまいます。職場でも同僚の上司に対する悩みの相談にのってあげていると、いつのまにか「自分が陰口を言っている」などと噂になりストレスを感じ転職活動を始める……。
そんなことがある度に、もっと人の話の奥がわかる人間にならなければ、と思って本を読もうとするのですが「ちっとも内容に集中できない」となって、最後まで読むことができず、いつも買った本はムダになっていました。
そんな時に「生きる目的を確認する」朝のスイッチをやってみることにしました。
「私の生きる目的は?」と考えてみると、「私って人を助けるために生きてきた感じがする」と初めは思ったのですが、そのせいでストレスをためてドカ食い。いつの間にか贅沢ボディーになっていて、誰からも見向きもされない醜い存在になっていた自分に気づきます。
「私はいったいなんのために生きたらいいの?」と思ったEさんの頭に浮かんできたのは「美しくなるために生きる」ということでした。
次の日の朝、目が覚めて「美しくなるために生きる!」と頭の中で宣言をしてみるEさん。「美しくなるために生きる!」と頭の中で言うだけなのに妙に緊張感と恥ずかしさがあります。
でもこのスイッチをルーティンとして続けていくと「美しくなるために生きる」というのがだんだん言いやすくなっていきました。
するとEさんは「あれ? 本を手に取って読んでいる!」と自分の変化におどろきます。その理由を考えてみると、姿勢を正して本を読んでいる姿が美しい、と思ったからでした。さらに、本を読んで「美しいかも!」とその中の登場人物の生き様に美しさを感じることができるようにもなります。
就職面接に行っても「美しい会社に入る」と思ってその会社を見た時に、「ここは違う」と思えばきっぱりと断ることができ、最終的に自分が理想とする職場に入ることができました。
就職後もEさんは「美しく生きる」をルーティンとして続けていたからか「人の悪口を聞くことは美しくない!」と感じるようになって、そのような話を相手にしなくなります。そうしたら、ストレスを職場であまり感じなくなり、帰ってからドカ食いをしなくなりました。
ドカ食いをしなくなったら、だんだん歩くのがラクになってきて、朝は2駅歩いて出勤しよう、と朝早く家を出るようになり、お通じも良くなり、どんどん痩せて美しい本来の自分の姿に戻っていきます。
元の体型に戻った姿を鏡で見ながらEさんは、「生きる目的のスイッチって面白いかも!」と、「美しく生きる」というスイッチをずっと続けていこうと思ったのです。
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