本記事は、井上裕之氏の著書『人生を自由にしてくれる 本当のお金の使い方』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています
見た目にお金を使うことは、相手を気づかうこと
私は歯科医師として、セミナー講師として、コンサルタントとして、
「自分はどう見られたいのか」 「自分の『価値』をどう見せていくのか」 「どのような印象を与えたいのか」
を常に意識し、「見た目」からメッセージを伝える努力をしています。
自分をメディア化し、自らの力でプロモーションをするためにも、見た目(人に与える印象)を整えることは、とても重要です。
「外観というものは、一番ひどい偽りであるかもしれない」
これは、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇『ヴェニスの商人』の一節です。
外観は、見方を変えれば、偽りだらけです。
しかし人間は、外観で第一印象を決めてしまう事実があるのもたしかです。
「人間は、外見と内面のどちらが大事ですか?」
と質問されたなら、私は、こう答えます。
「両方とも大事です」
第一印象は、相手と良い関係を築けるかどうかの鍵を握っています。私たちは視覚情報を基準に、さまざまなことを判断するからです。
ある総合転職エージェントのアンケート調査によると、採用担当者に「正直、採用の合否に〝見た目〟は関係ある?」との質問をしたところ、78.4%が「正直採用に『見た目』は関係ある」と答えました(参照:ワークポート「採用担当者のホンネ調査~転職活動の常識・非常識~」)。
見た目とは、「容姿容貌」のことではなく、「身だしなみ」や「清潔感」のことです。見た目を大事にしている人は、第一印象で選ばれます。
反対に、見た目に無頓着な人は、どれほど内面が優れていても、第一印象で落とされてしまいます。
労働経済学者のダニエル・S・ハマーメッシュ教授の研究によれば、ビジュアルによる男性の生涯年収の差は、2700万円にものぼるそうです(参照:『収入2700万円の差がつく身だしなみ』山川アンク・著/辰巳出版)。
見た目の良さを成立させる3要素
見た目の良さを成立させる要素は、次の「3つ」です。
「笑顔」「清潔さ」「元気さ」です。
(1)笑顔
「自然でさりげなく笑顔」「親しみを感じさせる笑顔」の持ち主は、第一印象で「この人は、楽しそう」と思われます。
(2)清潔さ
身につけているものも含めて、キレイサッパリしている人は、第一印象で「この人は信頼できそう」と思われます。
(3)元気さ
前向きでアクティブな人は、第一印象で「この人といると、おもしろいことが起こるかも」と思われます。
「笑顔」「清潔さ」「元気さ」は才能ではなく、お金をかけて身につけていくものです。
ありがたいことに、「井上先生の笑顔は素晴らしいですね」とお褒めの言葉をいただくことがあります。
私の笑顔は、素質でも、資質でも、才能でも、天性でもありません。
「お金をかけて勉強し、努力で身につけた笑顔」
です。
表情に関する専門的なトレーニングを受け、
「笑顔にも種類があること」 「笑顔をコントロールするには、『瞳』をコントロールすること」 「首の位置や姿勢によって、相手に与える印象が変わること」
などを学びました。
最高の人格者とはいつも笑顔でいる人。私はそう思っています。
世界のトップ経営者たちは、表情、立ち居振る舞いなどの自己表現、とりわけ笑顔を専門のコーチについて学んでいます。
見た目を整えることは、人間関係を築くスタートラインに立つことです。
見た目にお金を使うことは、他人を気づかうことです。
相手に不快感や不信感を与えないためにも、そして理想の自分を演出するためにも、見た目にお金を使いましょう。
著書は累計発行部数130万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ番組「奇跡体験! アンビリバボー」で紹介され、大きな反響を呼ぶ。ベストセラー『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『本物の気づかい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書多数。
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