不動産投資は、少ない手元資金で始めることができるため、手軽に投資することが可能です。しかし手軽に始められる一方で判断を誤ると非常に大きな損失を負うことになりかねません。そこで今回は、不動産投資を始める前に押さえておきたいポイントを解説していきます。
不動産投資とはそもそも何?
不動産投資とは、ワンルームなどの不動産を購入して物件を貸すことで家賃収入を得たり売却して差額益を得たりする投資方法です。一般的には、金融機関からのローンを活用することで不動産を購入します。投資対象は、例えば「区分マンション」「一棟アパート」「一棟マンション」などさまざまです。
不動産投資の種類
不動産投資の種類は、多岐にわたります。ここでは、一般的な不動産投資の種類として4つの方法をピックアップします。それぞれの不動産投資の特徴は、以下の通りです。
ワンルームマンション
不動産投資と聞くと「ワンルームマンション」をイメージする人も多いかもしれません。実際にサラリーマンや公務員などの場合、ワンルームマンションから不動産投資を始める人が多く不動産投資のはじめの一歩として活用される投資法です。ワンルームマンション投資の特徴としては、以下のような内容が挙げられます。
- 単身世帯をターゲットにしている
- 耐震強度が十分で安定したキャッシュフローを得られる
- 利回りは抑えめで大きな収益はあまり見込めない
近年は「サブリース」という方法を活用して投資対象が空室でも安定して家賃収入が入ってくるような仕組みもあります。この方法を活用するとさらに安定した収支計画を立てることが期待できるため、不動産投資初心者には、よく活用される方法の一つです。
戸建て住宅
「戸建て住宅」も投資対象の一つです。戸建ての場合、「木造戸建て」などが挙げられます。戸建て住宅の特徴は、以下のようなものがあります。
- 入居するターゲットがファミリー層
- 戸建ての中でも安価で売買することができる木造を中心に投資
- 木造でコストを抑えることで非常に高い利回りやキャッシュフローを得ることが可能
ただし地震による被害や、ファミリー層をターゲットにすることによる空室リスクはワンルームマンションよりも高まります。
一棟アパート、マンション
一棟アパートやマンションは、物件全体を丸ごと購入するため、他の投資方法よりも多額な資金が必要となり誰でも投資できるものではありません。そのため「ワンルームマンションや戸建てで十分な実績を積み上げてきた」「現金資産などをたくさん持っている」といった人が検討したい投資法です。一棟アパートやマンションの特徴としては、「空室リスクの分散ができる」点にあります。
ワンルームマンションや戸建て住宅の管理は、基本的に1室です。そのため物件が空室になると収入はゼロになってしまいます。一棟アパートやマンションの場合は、空室リスクを回避することが可能です。ただし一棟アパートやマンションは、一つの部屋だけでなく共用部分も大切にしながら運営することが重要となるため、非常に高度な経営能力や多様な知識が必要となります。
REIT
REITは、不動産投資信託とも呼ばれ投資家などの資金を不動産投資法人に集めて不動産投資法人がオフィスビルなどに投資を行う投資方法です。他の投資法と異なり現物不動産ではなく不動産ファンドへ投資します。REITの特徴は、以下の通りです。
- 現物不動産よりも少額から始めることができる
- 現物不動産投資のように金融機関からローンを使って投資しなくてよい
- 上場しているREITの場合、現物不動産よりも流動性が高い
不動産投資を行ううえでのメリットは何がある?
不動産投資を始める際は、まずメリットやデメリットを押さえておきましょう。ここからは、不動産投資を始めるために知っておきたいメリットやデメリットについて解説していきます。不動産投資のメリットは、大きく分けると以下の2つです。
インカムゲインとキャピタルゲイン
不動産投資は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」が期待できる投資です。
・インカムゲイン
インカムゲインとは、保有している資産から得られる定期的な収入のことです。不動産投資におけるインカムゲインは、毎月の家賃収入となります。家賃収入からローンの返済額などの費用を差し引いた額が毎月の収益です。この金額がプラスであれば毎月利益を出すことができます。またローンを完済した場合は、さらに収益性が高まるでしょう。
・キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、保有している資産を売却することで得られる収入のことです。建物の資産価値は、築年数によって減少していきます。しかし建物がなくならない限りゼロになる可能性はほとんどありません。物件の資産価値は、築年数に応じて緩やかに下がっていくことが特徴です。ローンを組んでいる場合でも「ローン残高<売却価格」という条件であれば収益を上げることができます。
一般的に資産価値の減少よりもローン残高の減りのほうが早いことは、押さえておきたいポイントです。最終的にローン残高よりも売却価格が上回ったタイミングで物件を手放すことができれば収益を出すことができます。
団体信用生命保険
不動産投資の場合、団体信用生命保険が付与できる点もメリットの一つでしょう。団体信用生命保険とは、ローンを組んでいる人が死亡したり高度障害となったりした場合に保険金でローンと相殺できる保険のことです。万が一のことがあった場合でも遺族には、ローンが完済された物件が残ります。ローンの支払いがないため、安定して家賃収入が入ることが期待できるでしょう。
近年では、ローンの返済金利を上乗せすることで「がん団信」「三大疾病団信」などさまざまな種類を選択することができる金融感もあります。
これだけは押さえておきたい不動産投資を始めるときの注意点
不動産投資は、メリットだけでなくデメリットもあります。不動産投資を始める前に押さえておきたい注意点について確認していきましょう。
不動産投資は「ローン」「空室」などのリスクが多い
キャッシュで一括購入する例外はありますが一般的に不動産投資は「ローン」を組むことが多い傾向です。不動産投資ローンを組んで始めると返済原資が家賃収入となるため、ローンを支払っている感覚がなくなりがちですが大きな借金を背負って投資を行うことには変わりはありません。そのためまずは「ローンを組んで投資をしている」ということを再認識しておきましょう。
なぜなら空室になって家賃収入が入らなくてもローン返済は待ってくれないからです。場合によっては、ローンの支払いを持ち出しで行うことが増えて毎月の家計が回らなくなる可能性もあります。その他にも災害や近隣住民の影響により空室が発生することも検討しておかねばなりません。
投資目的を明確にしないと失敗する!
不動産投資は、先述した通り最初に大きな負債を抱えて始める投資です。そのため投資目的を明確にしていないと失敗する可能性が高まります。具体的には、以下のように「なぜ不動産投資をするのか」といった投資目標を明確にしておきましょう。
- 毎月の家賃収入を得ることが目的なのか
- 数年後に売却益を出すことが目的なのか
- 長期間持つことが目的なのか
不動産投資を始めるうえで重要になるのが「戦略」
不動産投資を始めるうえで押さえておきたいのは、以下の2つです。
- 不動産投資はどのようにして収益を出しているのか
- 不動産投資のリスクはどのようなものがあるのか
「節税対策や生命保険の代わりとなる」「年金対策となる」といった切り口で不動産投資を勧誘されるケースが多くあります。しかしメリットだけに注目して投資を始めると失敗する可能性が非常に高いでしょう。不動産投資を始めるためには「なぜ不動産投資を始めるのか」「不動産で失敗したときや損失を出したときのリスクヘッジ」など「投資の戦略」を立てていくことが大切です。
(提供:YANUSY)
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