4P分析は4C分析との組み合わせがポイント!
本当の意味で効果的なマーケティング戦略を打ち出すには、消費者側の目線も意識することが必要になる。そこでぜひ活用しておきたいものが、「4C分析」と呼ばれるフレームワークだ。
4C分析では消費者側の視点に立って、次の「4つのC」をもとに分析を行っていく。
上記を見ると分かるように、4P分析と4C分析の各要素は対になっている。つまり、4C分析の各要素を意識しながら4P分析を行えば、より効果的なマーケティング戦略を打ち出せるだろう。
したがって、4Pをもとに現状を分析する際には(※前述の【STEP1】)、同時に4C分析にも取り組んでおきたい。
4P分析は万能なフレームワークではない!陥りがちな落とし穴
ここまで解説した4P分析は、実は万能なフレームワークではない。その点を誤解して分析結果を全面的に信用すると、思わぬ落とし穴にはまってしまう。
例えば、業種によっては「価格(Price)」による影響が強くなりすぎて、ほかの要素(製品・流通・販促)とのバランスが取りにくいケースもある。例えば、とにかく安さが重視される100円ショップや、ファストファッションなどの業界をイメージすると分かりやすいだろう。
このように4P全体のバランスが崩れている業界に関しては、影響の強い要素を重点的に考える必要がある。また、最近では「パッケージ(Packaging)」や「業界内での位置づけ(Positioning)」のように、マーケティングに影響を及ぼす新たなPが注目されつつあるので、4P分析はあくまでフレームワークのひとつとして認識しておきたい。
4P分析をマーケティング戦略に活かす3つのポイント
単に4P分析や4C分析をしただけでは、その結果をマーケティング戦略に活かすことはできない。ここからは、4P分析をマーケティング戦略に活かすポイントや、さらに分析の質を高める方法を解説していく。
1.顧客情報を徹底的に分析しておく
4P分析の各要素は、事前に決めたターゲット層やペルソナをもとに考えることになる。そのため、ターゲット層やペルソナを明確にし、さらに顧客情報を徹底的に分析しておかないと、効果的なマーケティング戦略を打ち出すことは難しい。
特に意識しておきたいポイントは、ターゲット層が求めるニーズを具体的かつ確実につかんでおくことだ。年代や性別はもちろん、地域、職業、年収、ライフスタイルなど、ターゲット層のあらゆる属性を踏まえてニーズを見極める必要がある。
また、市場分析や競合分析なども必要になるため、ある程度の時間とコストがかかることは覚悟しておこう。
2.分析結果を総合的に判断する
4P分析や4C分析によって各要素を分解すると、ひとつの要素のみに目がいきがちになる。しかし、実際のマーケティングではさまざまな要素が絡み合うので、分析結果はあくまで総合的に判断しなければならない。
例えば、流通チャネルに関する戦略を立てる際には、以下のすべての要素を意識する必要がある。
・販売するエリア
・販売量
・ブランドや価値などの販売管理
・製品の耐久性(鮮度)
・流通にかかるコスト
・自社の販売能力や営業マンのスキル
・顧客とのコミュニケーションの必要性
特定の要素のみに着目すると、期待した効果を得られない戦略になってしまうため注意しよう。
3.マーケティングミックスに活用するツールを増やす
本記事では2つの分析手法を紹介したが、マーケティングミックスに活用できるツールはほかにも存在する。詳しくは割愛するが、例えばPEST分析やSTP分析なども活用すれば、さらに多くの要素をマーケティング戦略にとり入れられる。
また、前述でも軽く触れたように「4P以外のP」に目を向ける方法もひとつの手だ。最近では4Pのほか、「利用者(People)」「提供プロセス(Process)」「物的証拠(Physical Evidence)」などの要素も重視されつつある。
企業のマーケティングには数え切れないほどの内部要因・外部要因があるので、時間に余裕のある経営者はより多くのツールを活用していきたい。