中古マンションを所有しマンション経営をされている初心者の方は、早めに中級者が選ぶ物件へステップアップしましょう。中古マンションの収益が不安定で、将来の資産形成に不安を感じている場合はなおさらです。本稿では、マンション経営の初級者から中級者へステップアップするにはどのような物件を選ぶべきかを解説します。読んでいただくと、将来に備える最適な資産形成の方法がわかるはずです。

中古マンションが抱えるリスクとは

マンション経営で中級者が選ぶべき物件とは?資産形成で考える
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

中古マンションは、新築に比べ金額が安くマンション経営を始めやすい建物です。しかし次にあげるようなリスクを抱えているため、ある程度マンション経営の経験を積んだら需要が安定している物件にステップアップすべきです。

それでは、中古マンションは具体的にどのようなリスクを抱えているのかを見ていきましょう。

中古マンションが抱えるリスク
1.空室になりやすい
2.空室増により環境が悪化しやすい
3.急な修繕費が発生しやすい
4.中古マンションの利回りには修繕費が含まれていない

1.空室になりやすい

中古マンションは空室になりやすいリスクを常に抱えています。

築年数が経っているほど中古マンションは劣化していますので、住み心地が悪くなっています。設備は最新の物に比べ不便で、防犯設備や断熱性能、防音性能も劣ります。

入居者は少しでも条件の良い物件があれば引っ越したいと考えているかもしれません。こうしたことから、中古マンションには「空室になりやすい」リスクが常につきまといます。

2.空室増により環境が悪化しやすい

空室になる機会が増えると物件の環境も悪化するリスクもあります。

戸建て住宅などは人が住まなくなると急速に劣化するといわれていますが、それはマンションも同様です。劣化することによって、ますます入居を希望する人がいなくなるという悪循環におちいりかねません。

当然そのような物件は売却も難しくなり、赤字物件を所有し続けることになります。

3.急な修繕費が発生しやすい

中古マンションには突然高額な修繕費が発生するリスクがあります。

古い物件ほどエアコンや給湯器、トイレやキッチンなどの設備が老朽化しており、常に故障や交換の可能性があるからです。

しかも設備の耐用年数は似通っているため、続けて故障し予想外の高額出費になることもあります。

また内部設備は、入居者の住み心地や使い勝手に直結しています。修理に何日もかかれば不満を持たれ、退去してしまうこともあります。

中古マンションは長く所有し続けるほど、突然修繕費が発生するリスクが高まります。老朽化が進む前に売却し、突発的な修繕の心配がない物件へ切り替えるべきです。

4.中古マンションの利回りには修繕費が含まれていない

中古マンションは購入価格が安いため、表面的な利回りが高くなります。ただしそれは空室にならないことが前提です。

空室リスクの高い中古マンションで、高い利回りをそのまま期待するのは危険です。しかも中古マンションの利回りには、高額な修繕費が組み込まれていません。

修繕が必要になれば支出が増え、十分な資産形成ができる利回りではなくなります。

中古マンション経営から卒業し新築マンション経営へ

マンション経営で中級者が選ぶべき物件とは?資産形成で考える
(画像=THINKb/stock.adobe.com)

安定収入のあるサラリーマンなら、中古マンションを卒業して新築ワンルームマンションの経営を検討してみましょう。

新築マンションには次にあげる3つのメリットがあり、中古マンションが持つリスクを回避しやすくなるからです。

新築マンション経営のメリット
1.入居者が集まりやすく空室になりにくい
2.急な修繕費が突然発生しにくいので計画的に費用を貯金できる
3.新築マンションは売却するときに有利

1.入居者が集まりやすく空室になりにくい

新築マンションは入居者を集めやすく、マンション経営の最大のリスクである空室を避けやすくなっています。

新築なら部屋のなかはもちろん、外観もきれいで清潔感があり入居者に好感を持たれます。また最新の建物は、防犯面や防音、耐震性、断熱性が優れているというメリットもあります。

さらに入居者が集まれば修繕費がしっかり積み立てられ、外壁やエントランスなどの共用部分がきれいに維持されます。

こうして新築は入居者が集まりやすく、空室になりにくい建物になるのです。

2.急な修繕費が突然しにくいので計画的に費用を貯金できる

新築マンションは中古マンションのように、予想外の修繕費が必要になるケースは少ないです。なぜなら建物全体が新しい状態であり、劣化や故障は当面先のことだからです。

もちろん20年、30年という長いスパンで考えれば修繕費がかかります。しかしそれまでに時間にゆとりがあり、計画的に少しずつ費用を積み立て準備することができます。

いつ高額な修理費が発生するかわからない中古マンションとは大きな違いです。

3.新築マンションは売却するときに有利

新築マンションは将来売却するときに、中古マンションに比べ売りすいというメリットがあります。

新築の建物を20年所有すれば築20年、築30年の中古マンションを20年所有すれば築50年です。どちらが将来売却しやすいかは明らかです。

しかも中古マンションは、建物状態が悪ければなかなか売れないというリスクもあります。もし極端に値段を下げれば、将来の備えとしての資産形成ができない可能性もあるでしょう。

しかし新築マンションなら建物状態が極端に悪いことは考えにくく、売却によって十分な収益を手にすることも期待できます。

ただし新築マンションでも有利な条件で売却するには、長期的に見て需要が下がりにくい都心の物件を選ぶなどの配慮も必要です。

新築マンションであっても、出口戦略をしっかり見据えた物件を選ぶようにしましょう。

一棟マンションの経営は上級者向け

マンション経営で中級者が選ぶべき物件とは?資産形成で考える
(画像=RomanBabakin/stock.adobe.com)

中古マンションの次のステップとして、郊外や地方の中古一棟マンションの経営を考える方がいるかもしれません。

しかし一棟マンションには一棟ならではの経営戦略が必要であり、どちらかといえば経験が豊富な上級者向けになります。

賃貸需要を見極める力が必要

一棟マンションは当然部屋数が多くなります。そのため満室にするだけの賃貸需要が物件エリアにあるか、十分にリサーチしなければなりません。

しかし中古のワンルームマンションからステップアップする段階では、調べる手段や知識がまだ不足しているはずです。

また地方では現在需要があっても、企業の撤退や景気の低迷などで入居者が激減するリスクがあります。

地域経済の先行きなどを判断する力も必要になり、中級者の段階では相当難易度の高いマンション経営になります。

一棟所有は新築ワンルームマンションで経験を積んでから

マンションを一棟所有すると、収益のなかから建物全体の修繕費を出すことになります。

もし空室が多く収益が少なければ、予算が足りず修繕することができません。建物が劣化したままならさらに空室が増え、経営が悪化する可能性があります。

確かに一棟マンションは部屋数があるため、より多くの収益を得ることが期待できます。しかしその分リスクも高く、判断を間違えれば大きな負債を抱えることになります。

いずれは目指して良いかもしれませんが、まずは「新築マンション」で、なかでも「新築ワンルームマンション」で十分な経験を積んでから挑戦しても遅くはないでしょう。

まずは新築マンションにステップアップし資産形成を

マンション経営で中級者が選ぶべき物件とは?資産形成で考える
(画像=peshkov/stock.adobe.com)

中古マンションはリスクが多く、老朽化すれば売却しにくくなることも考えられます。このため将来の資産形成の方法としては大きな不安がある建物です。

中古でマンション経営を経験したのなら、早めに安定した収益が見込める新築マンションへのステップアップを検討すべきです。

ただし新築マンションであっても、入居者募集や物件管理をしっかり行わなければ十分な収益を生むことはできません。

新築マンションの取り扱いに慣れた不動産会社に相談し、適切なアドバイスをもらいながらマンション経営をするようにしましょう。

(提供:Dear Reicious Online



【オススメ記事 Dear Reicious Online】
40代からの将来設計。早いほどおトクなマンション経営
マンション経営の物件選び!初心者がまず知っておきたい必須のポイント
少子高齢化社会が不動産の可能性に与える影響
「働く」だけが収入源じゃない 欧米では当たり前の考え方とは
実は相性がいい!?不動産×ドローンの可能性