4)喜怒哀楽が激しい人/気分屋な人
チームは個人の集まりだ。そのため、一人ひとりが自分の能力を最大限発揮できるようなメンタリティでなければ、チームの総合力も高まっていかない。
管理職の人が喜怒哀楽の激しい気分屋の場合、それぞれが自分の能力を最大限発揮しにくくなる。「失敗したら激怒されるかも…」と萎縮してしまうからだ。部下を叱ることが必要なシーンももちろんあるが、感情に任せた理不尽な怒り方は、部下のパフォーマンスを大きく低下させる。
ちなみに、その人物が管理職ではなくても、喜怒哀楽が激しい気分屋の人がいることは、組織にとって決してプラスにならない。そのため企業としては、怒りの感情をコントロールするための「アンガーマネージメント」の研修などを積極的に導入していきたいところだ。
5)人に嫌われるのを嫌がる人/事なかれ主義の人/八方美人な人
管理職になったら、勇気を持って組織が抱える問題に立ち向かわなければならない。そのため、人に嫌われることを避ける人、事なかれ主義の人、八方美人な人は管理職に向いていない。
部下を指導するときは、「嫌われてもその部下が育つのであれば」といった気概が必要だ。当然、部下に対する優しさも必要だが、優しさだけでは部下は育たない。そして事なかれ主義では、いつまで経ってもその組織が抱える問題が解決されない。
6)自己管理ができない人/報連相ができない人
自己管理ができない人も管理職に向いていない。頻繁に遅刻をし、自分の業務の進捗も管理できず、報連相(ほうれんそう)もうまくできない…という人では、管理職として部下のお手本になれないし、何より自己管理ができないのに他人の管理ができるわけがない。
7)ハラスメントをする人/ハラスメントに気づいていない人
今も昔も「ハラスメント」は会社で存在しないに越したことはない。特に近年はパワハラやセクハラに対する批判の声が高まっており、ハラスメントが存在する企業は人材の定着も進まない上、ハラスメントの実態がFacebookやX(旧Twitter)などのSNSを通じて伝わると、企業イメージも大きなダメージを受ける。
こうした観点から、ハラスメントをしている人や自分がハラスメントをしていることに気がついていない人は、管理職に据えるべきではない。では社内で発生することが想定されるハラスメントとしては、具体的にはどのようなものが挙げられるのか。以下、代表例を挙げる。
- セクハラ(セクシャル・ハラスメント)
- パワハラ(パワー・ハラスメント)
- マタハラ(マタニティ・ハラスメント)
- モラハラ(モラル・ハラスメント)
- アルハラ(アルコール・ハラスメント)
- ジェンハラ(ジェンダー・ハラスメント)
- スモハラ(スモーク・ハラスメント)
このうち「セクハラ」「パワハラ」「マタハラ」は3大ハラスメントと呼ばれており、被害を訴える人も多い。
職場におけるセクハラについて、厚生労働省の資料で「『職場』において行われる、『労働者』の意に反する『性的な言動』に対する労働者の対応によりその労働者が労働条件について不利益を受けたり、『性的な言動』により就業環境が害されること」と説明している。
パワハラは6類型化されており、「精神的な攻撃」「身体的な攻撃」「過大な要求」「過少な要求」「人間関係からの切り離し」「個の侵害」と分類される。