セラフ榎本(埼玉県川口市)はビル・マンションの大規模修繕工事を手掛けている。同社ではドローンを活用した外壁診断調査を約3年前から展開している。そして来年春からドローンで撮影したデータの分析に、「外壁劣化検出AIシステム」を導入する。

オーナー側もコスト削減メリット

外壁診断にドローン活用 来年春からAIで劣化検出
(画像=YANUSY編集部)

 同社が外壁診断にドローンを活用することになった経緯は、「外壁調査にかかる高額な足場の費用面」に榎本修社長が以前から懸念していたことだった。足場費用削減の改善策としてドローンを活用し、オーナーや管理組合向けに足場費用を削減できるドローン外壁調査を提供していきたいと榎本社長が提案。それがドローンを導入するきっかけとなった。その後、社内での体制を整えた上でドローンによる外壁診断調査を実施。現在では100件以上の実績を積み増している。
 外壁診断調査では目視による点検が大半だ。一方でそれらの場合にはいくつかの課題も散見された。たとえば、5階建ての物件であれば事前の調査では1階を目視点検し、そこでの劣化度合いを基準にして2階以上の劣化を推定、見積りを作成する。しかし予想以上に劣化が進んでいる場合も少なくなく、なかにはオーナーや管理組合側が計上していた予算をオーバーしてしまうケースもある。加えて、人による作業のために劣化した箇所を見落とすリスクも発生する。ドローンを活用した診断はこれらのリスクを回避することが可能となるため、オーナーや管理組合側からも好評を博している。 
 このドローンによる外壁診断調査の性能を高めるものとして、来年春より導入するのが「外壁劣化検出AIシステム(S.D.A)」。一般財団法人の材料科学技術振興財団(東京都世田谷区)の協力を得て開発している。ドローンが撮影した画像を「S.D.A」で診断をかけていくと、外壁タイルの剥落やひびなどの箇所に赤く着色される。それを見ると劣化箇所が一目瞭然でわかる仕組みだ。同社ではそれを更に専門のスタッフがダブルチェックする。見逃しリスクや解析者によるばらつきを防ぎ、より精度が高いものとする。
そしてドローンとAIを組み合わせることによって、「人的コストや負担の減少、また納期の短縮化」などの効果を期待することができる。
 AIは学習データが増えれば増えるほど、精度が向上していく。既に100件以上のデータが蓄積されているが、同社では更にこの量を増やしていくことを目指す。

(提供:YANUSY

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