PDCAサイクルに沿ったQC活動の進め方
QC活動の基本的な進め方をPDCAサイクルに沿って解説する。PDCAサイクルは、品質管理以外でも多く用いられる手法のため、ご存じの方も多いだろう。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、処置・改善(Action)といった一連のサイクルのことを指す。PDCAサイクルを繰り返し回し続けることによって継続的に改善を図ることが期待できる。
QC活動を進めるポイント
QC活動をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントがある。特に重要なポイントとして2点に絞り解説していく。
テーマを明確にする
QC活動を始める前に活動のテーマを明確にする必要がある。テーマがはっきり決まらないままでは、QC活動のゴールも決まらない。製品の納期を早める改善を行うのか、品質のネックとなっている工程の見直しを行うのかでQC活動の手法やゴールは変わってくる。日ごろ気になる点や問題点を一通り書き出し、重要度や優先度をつけて取りかかるべき順番も整理しよう。
なぜそのテーマを取り上げるのかの理由も忘れないように記載する。
原因の分析を4Mで洗い出してもれをなくす
原因の分析は、4Mと呼ばれる手法で行えば、抜けやもれをなくすことが期待できる。4Mとは、以下のように4つの視点を指す。
4Mで原因を分析した後は、検証を通して真の原因特定を行う。原因分析をこのように進めることでQC活動による改善を効果的に行える。
QCサークル活動を行っている企業
前述したQCサークルの目的は、製品の品質管理や作業効率の向上などさまざまだがメンバーのスキルアップにもつながるため、従業員の自主性とモチベーション向上の効果も期待できる。QCサークル活動を発表する場があれば活動内容を多くの人に知ってもらうことでモチベーションが向上し、他のサークルの発表を聞くことで多くの新しい考え方に気づくことができるだろう。
企業としても社内の活性化や人材育成にもつながり同時に業務の効率化や業務改善を図ることができる取り組みでもある。QCサークル活動を行っている企業の中から一例を紹介しよう。
【事例の紹介】
オンダ国際特許事務所では、1985年からQCサークル活動に取り組んでいる。主な活動内容は、以下の通り多種多様だ。
- 事務手続きの効率化
- 資源節約のための活動
- 明細書の品質向上を目的とした改善
- 発明者とのインタビューの効率化など
所内にシステム開発部門を持つ強みを活かし自社でソフト開発やシステム構築を行うなど全社的に業務改善・効率化を推進している。QCサークル活動に関するセミナーを毎月2回所内で開催。またQCの基本を学ぶ初級セミナーからリーダー向けのレベルに応じたセミナーを企画・開催している。