この記事は2022年02月02日に「ニッセイ基礎研究所」で公開された「景況感は大きく改善。価格のピーク時期は今年または来年が6割を占める〜リスク要因として海外経済、金利、建築コストへの関心が高まる。一方、国内経済、コロナ拡大、ニューノーマルへの懸念は後退〜第18回不動産市況アンケート結果」を一部編集し、転載したものです。
要旨
不動産市況の現状および今後の方向性を把握すべく、不動産分野の実務家・専門家を対象に「不動産市況アンケート」(第18回)を実施した(回答者数120名、回収率:59.7%)。
不動産投資市場全体(物件売買、新規開発、ファンド組成)の景況感は、プラスの回答(「よい」と「ややよい」の合計)との回答が6割強、「平常・普通」が約3割、マイナスの回答(「悪い」と「やや悪い」の合計)が1割弱となった。前回調査では景況感に対する見方が分かれていたが、今回はプラスの回答が6割以上を占める結果となった。
6ヵ月後の景況見通しは、「変わらない」との回答が6割となった。また、好転との回答(「よくなる」と「ややよくなる」の合計)が悪化との回答(「悪くなる」と「やや悪くなる」の合計)を上回り、楽観的な見方がやや強まった。
今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資セクター(証券化商品含む)について、「物流施設」との回答が最も多く、次いで「産業関係施設(データセンターなど)」「賃貸マンション」「エネルギー関連施設(太陽光発電施設など)」との回答が多かった。
今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資エリアは、「東京都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)」との回答が最も多く、次いで「東京都区部(都心5区を除く)」「福岡市」との回答が多かった。
不動産投資市場への影響が懸念されるリスク要因について、「国内景気」との回答が最も多く、次いで「欧米経済」「新型コロナ拡大」「金利」との回答が多かった。前回調査と比較して、「欧米経済」「金利」「建築コスト」「中国経済」に対する懸念が高まった。
東京の不動産価格のピーク時期について、今年または来年との回答が6割強を占めた。