本記事は、安藤広大氏の著書『数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています
「伸び悩む人」に共通する考え方
基本的に人は、時間差こそあれ、右肩上がりに成長するものです。
しかし、その先に「伸び悩み」の天井が現れます。
伸び悩む人は、なぜ伸び悩むのか。
識学では、「すべての人は成長する」という考え方が根底にあります。
そのためには、個人差が生まれないように環境を整えたり、上司ガチャのようなことが起こらないような仕組みを徹底する必要があります。条件さえ整えば、あとは個人の力を全員に発揮してもらう。そのための考え方です。
●「成長を諦めた人」の既得権益
私たちの考えを企業に導入すると、必ず「反発」がきます。
それは、頑張り続けることをしなくなった人たちが「既得権益」を持っているからです。
これは、部活動に例えるとわかりやすいと思います。
地方大会で万年1回戦負け。優勝することはもちろん、練習試合で勝つことすらも、誰も考えていない部活にいるとしましょう。
そんな中で、ある日、転校生が現れて「来年こそは優勝を目指そう!」ということを言い出したら、どんな雰囲気になるでしょうか。
「いやいや、俺たちには無理だよ」 「いいじゃん、楽しく練習できればそれで」
そんな意見が飛び交うのが目に浮かぶでしょう。
もちろん、部活であれば、それでもいいと思います。
しかし、会社の場合は違います。メンバー全員が成長する方向に頑張っていかないと、会社の存続の危機に関わります。
●現状維持では「沈む」時代
特に大企業や有名企業、あるいは新卒から同じ会社で長年働き続けている場合だと、まさか自分の会社が潰れるなんて考えもしないかもしれません。
しかし、そんな時代は、とうに終わりました。
路頭に迷うリスクは、誰にだってあるのです。
むしろ、若い人は、最初に入社した会社で死ぬまで働き続けるなんて、そちらのほうが幻想だと思っていることでしょう。
どれだけ安定した業界だろうと、関係ありません。
立っているだけで沈んでいくのが、今の日本の現状です。
上を目指してもがいて、限られたパイを奪い合ってやっと、現状維持ができるような状況です。
その危険性にうすうす気づいているなら、いち早く成長への意識を再起動させないといけません。
その合図は、誰かが出してくれるわけではなく、自分で動き始めるしかないのです。
まず、その大前提を押さえておくようにして、ここに潜む問題を「数値化」を元に明らかにしていきましょう。
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