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マンション投資家の多くは、購入予定のマンションの”設備”や”立地”などについては細かく調べ、確認し購入されますが、管理会社について細かく確認される方は少ないのではないでしょうか。ところが、実際のマンション投資では、この管理会社次第で高利回りの物件も、あっという間に低利回り物件に変貌してしまいます。ではなぜ管理会社がマンション投資の利回りに大きな影響を及ぼす場合もあります。管理会社を選ぶ上でどういったところに注意するべきかを見ていきます。


低利回りの原因”管理費値上げ”の理由

マンションの新築当初は、マンション施工会社・販売会社・管理会社という3社がセットとなって事業を展開しており、当然、分譲したお部屋をすべて売りさばくためにさまざまな戦略を立てています。その一つとして『投資利回りを高く見せる』ための手法として、『管理費を新築当初は安く設定する』ということがよくあります。とくに、上記3社のなかで、管理会社は仕事をもらう立場にあるため、どうしても販売会社の要望により、管理費を低く設定せざるを得ないのが実情です。

ですが、それはあくまで分譲当初の話であり、購入後は販売会社と管理会社の関係は切り離されますので、その後管理会社は適正な管理費へ戻そうと動くわけです。つまり、徐々に管理費の値上がりが始まるということなのです。厳密にはもともと安すぎる管理費を元に戻したいだけなのですが、分譲販売する際に都合の悪いこれらの事実は当然投資家には告げられませんので、投資家にとっては単なる値上げであり、利回りを圧迫する大きな原因となってしまいます。


適正な管理費の簡単な見分け方

管理費が適正であるかどうかを見分ける一番基本的な方法があります。管理費会計の収入の部である”管理費収入”つまり、所有者から毎月徴収している管理費と、支出の部に記載のある”管理費”つまり管理会社に支払っている管理費の額が最低でも同じであるということです。

一見当たり前のように聞こえるかもしれませんが、最近のマンションでは、駐車場が完備しているものが多く、管理費収入に駐車場収入などもプラスした金額と同額程度の管理費を徴収している管理会社も少なくありません。つまり、管理費として所有者から徴収している額以上の管理費を支払っているという状況もあり得るということなのです。これは非常におかしなことなのですが、最近の新築物件ではよくあります。例えば駐車場収入は、将来の駐車場のメンテナンス費用に使用するため、別途貯蓄にまわすべきであり、管理会社の管理費に充てるべきではありません。まずは一度管理費会計をチェックしてみて下さい。