ボトムアップを採用する3つのメリット

トップダウンに比べると意思決定のスピードは落ちるものの、ボトムアップにもいくつか魅力的なメリットがある。その中でも、以下では経営者が特に押さえておきたいメリットを紹介する。

1.現場の状況を反映しやすい

ボトムアップ型の企業では、常に現場の状況を反映した意思決定を下しやすくなる。現場の課題をスピーディーに解決できるだけではなく、わずかな変化にも気づけるため、深刻なトラブルを防ぐことにもつながるだろう。

企業の事業活動を支えるのはあくまで現場であり、上層部が商品やサービスを提供しているわけではない。したがって、ボトムアップ型によって現場の声を拾えるようになると、商品・サービスの品質も向上させやすくなる。

2.主体性のある従業員を育てられる

下層部が積極的に意見できる企業では、主体性のある従業員が育ちやすくなる。さらに、従業員の立場からすると自分の意見が会社を動かすことになるため、なかにはモチベーションが向上する従業員も現れるはずだ。

また、下層部が気軽に意見できるような環境を整えれば、近年注目される「働き方改革」や「ハラスメント防止」にもつながる可能性がある。

3.斬新なアイデアが生まれやすくなる

トップダウンに比べると、ボトムアップは提案をする人数が圧倒的に多い。そのため、ボトムアップ型の企業は良いアイデアが生まれやすく、イノベーションを実現できる可能性も高いと言われている。

ただし、ボトムアップ型によってイノベーションを生み出すには、下層部にも優秀な人材を集めることが必要だ。採用活動や人材育成の方向性によっては、アイデア全体の質が下がってしまうので注意しておきたい。

ボトムアップには注意すべきデメリットも

一方で、ボトムアップには以下のようなデメリットも潜んでいる。

1.意思決定に時間がかかる

前述の通り、ボトムアップ型の企業では提案を承認するための作業が必要となるため、意思決定のスピードが遅くなる。もし適切なタイミングでの投資判断が遅れた場合は、大きなビジネスチャンスを逃してしまうこともあるだろう。

また、設備トラブルや自然災害などの際にも、意思決定の遅れは致命的なダメージにつながる。

2.思い切った改革ができなくなる

基本的に下層部の従業員からは、会社に大きな変革をもたらすようなアイデアは生まれにくい。そもそも、業務内容の変化を望んでいない従業員も存在するため、ボトムアップ型の企業では思い切った改革は実現しづらいだろう。

また、現場に多くの裁量を与えていたとしても、すべての従業員が自由に発言できるとは限らない。自らの立場を意識して委縮する可能性もあるので、ボトムアップ型の企業では上下の人間関係や企業文化などにも目を向ける必要がある。

3.従業員の能力や意志に左右される

前述でも触れたが、ボトムアップ型の経営を成功させるには、とにかく優秀な人材を集めることが必要だ。もし従業員の提案能力が不足していると、会社が間違った方向に進んでしまう恐れがある。

また、従業員によっては会社の成長のためではなく、自らの業務負担を減らす目的で提案をする場合もある。したがって、ボトムアップの採用前には従業員の能力を把握し、意思確認のためのコミュニケーションにも力を入れなくてはならない。