ボトムアップとトップダウンはどちらが優れている?メリット・デメリットの比較

ボトムアップとトップダウンに優劣はなく、どちらにも一長一短がある。つまり、会社の状況によって適した意思決定手段は異なるので、ボトムアップ・トップダウンの違いは正しく理解しておくことが重要だ。

具体的にどのような違いがあるのか、以下でメリット・デメリットを比較してみよう。

ボトムアップとトップダウンの違いとは? メリット・デメリットから組み合わせ方まで詳しく解説

トップダウン型の最大のメリットは、意思決定のスピードが速い点にある。承認作業を挟まずに会社の方向性を決められるため、緊急事態やトラブルなどが発生しても迅速に行動できる。

ただし、トップダウン型ではカリスマ性のある経営者が必要になるため、世代交代を機に経営が傾くリスクもある。また、主体性のある従業員が自然と育ちにくいので、採用活動や人材教育に工夫をとり入れる必要があるだろう。

ここまでをまとめると、ボトムアップ・トップダウンはそれぞれ以下のような企業に適している。

ボトムアップとトップダウンの違いとは? メリット・デメリットから組み合わせ方まで詳しく解説

どちらを選ぶべきか迷っている企業は、上記を参考にしながら自社の現状をチェックしてみよう。

ボトムアップ型の経営を成功させるポイント

どちらの意思決定手段にもメリット・デメリットがあるため、導入前には環境づくりが欠かせない。では、ボトムアップ型の経営を成功させるには、どのようなポイントを意識すれば良いだろうか。

経営トップが責任をもつ

ボトムアップを機能させるには、従業員が伸び伸びと意見できる環境づくりが必要だ。責任を求めると従業員が委縮する恐れがあるため、どのような意思決定でも経営トップが責任をもつようにしたい。

このような仕組みを作れば、業績を大きく左右するような意思決定であっても、現場から多様なアイデアが生まれやすくなる。

どのような内容でも意見を潰さない

現場からの声を承認要求する際に、経営者や上司がその意見を潰してしまうケースは珍しくない。特に経験が少ない新入社員や、非正規労働者の声は潰されがちだろう。

すべてを受け入れる必要はないが、ボトムアップ型ではどのような意見でも尊重する姿勢が重要になる。例えば、経験不足を理由にスタッフの意見を潰すと、意思決定を下すのはベテラン社員や上司となるため、トップダウン型寄りの仕組みになってしまう。

提案を採用するかどうかは後でも決められるので、まずは現場の声をしっかりと聞く態勢を整えよう。

従業員が挑戦できる企業文化をつくる

ボトムアップを導入しても、すぐに優れたアイデアや企画が生まれるわけではない。提案や意見にもスキルがあるため、従業員の失敗を受け入れながら、長い目で能力を伸ばしていく覚悟が必要だ。

ただし、会社の経営が傾くような失敗については、未然に防がなければならない。そのため、従業員個人で判断させるのではなく、うまく機能するチーム・組織も構築する必要があるだろう。