この記事は2022年3月28日(月)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「竹内のりひろ氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年3月28日(月)の午前8時に現役トレーダーの竹内のりひろさんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
竹内のりひろ 1990年、カナダ系の銀行で為替ディーラーになる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、情報配信を行なう |
現在の為替相場の傾向や相場観
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、円が下落の最上位(マイナス2.42%)となり、円安の流れが続いている。直近3週間を振り返っても、全ての週で円が下落の最上位に位置しており、1人負けの構図が半ば定着しつつある。
現在の為替相場の戦略やスタンス
先週、米ドル/円が122.44円と、6年3カ月ぶりの高値を更新したことで、意識されるのは次の大きな節目である125円。
過去に目を転じると、2015年6月10日、黒田・日銀総裁が国会の答弁にのぞみ、このなかで「実質実効為替レートに照らせば、これ以上円安になりそうもない」と発言。為替市場はけん制発言ととらえて、当日の米ドル/円は124円台の後半から急落となった。
今、市場はこの「黒田ライン」を強く意識している。ただ、実質実効為替レートでは当時よりも一段の円安が進んでおり、この「黒田ライン」は形骸化しているともいえる。
今回の円安、経常収支の赤字化や対外直接投資の拡大だけでなく、米国の引き締め強化が背景だ。大きな反落余地は乏しく、引き続き米ドル/円の押し目買い戦略を継続していきたい。
ボラティリティ換算の予想レンジは、米ドル/円で120.5~123.8円、ユーロ/米ドルで1.086~1.11ドル、ユーロ/円で132.5~136.50とみている。
▽米ドル/円の日足チャート
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
▽ユーロ/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。