中国株に投資を検討するうえでは、好調なセクターの把握が重要だ。セクター動向を押さえておくことで銘柄選択の判断材料の一つとなる。中国株の場合、2021~2022年で最も好調なセクターは「エネルギー鉱物」だった。全20セクターの年間騰落率をランキングで紹介する。
目次
年間騰落率1位は「エネルギー鉱物」セクター
以下は、中国株における20セクターを年間騰落率(2022年3月14日時点)が高い順に並べたランキングだ。
<中国株のセクター別年間騰落率ランキング>
順位 | セクター | 年間騰落率 |
---|---|---|
1位 | エネルギー鉱物 | 32.52% |
2位 | 素材産業 | 32.26% |
3位 | 工業サービス | 32.16% |
4位 | 製造加工 | 29.37% |
5位 | 流通サービス | 20.34% |
6位 | 公共事業 | 18.69% |
7位 | 電子テクノロジー | 16.69% |
8位 | 非エネルギー鉱物 | 15.01% |
9位 | ヘルステクノロジー | 9.24% |
10位 | 交通・輸送 | 8.89% |
11位 | 商業サービス | 5.04% |
12位 | テクノロジーサービス | 4.91% |
13位 | その他 | -1.15% |
14位 | 耐久消費財 | -4.14% |
15位 | 小売業 | -8.06% |
16位 | 非耐久消費財 | -8.55% |
17位 | 金融 | -15.38% |
18位 | 消費者サービス | -21.40% |
19位 | ヘルスサービス | -22.25% |
20位 | 通信 | -25.43% |
1位は「エネルギー鉱物」で年間騰落率は32.52%だった。2位は「素材産業」で32.26%、3位は「工業サービス」で32.16%という結果だ。ワーストから見ると「通信」のパフォーマンスが最も悪く-25.43%。ワースト2位が「ヘルスサービス」で-22.25%、ワースト3位が「消費者サービス」で-21.40%だった。
上位セクターと下位セクターについて分析
続いて、上位セクターが好調だった理由と、下位セクターにおいて株価が下落した要因について説明していこう。
1位:エネルギー鉱物セクター(年間騰落率32.52%)
世界的にエネルギー価格が上昇したのは、ロシア・ウクライナ情勢の悪化が主な要因だ。ロシアは世界有数のエネルギー産出国だが、欧米などからの経済制裁もあり、今後、石油や天然ガスが世界的に不足するとみられている。こうしたエネルギーの供給不足を見込んで、取引価格が上昇している。
取引価格が上昇すれば、石油や天然ガスの収益は増える。これから採掘する分に加え、備蓄分のエネルギーも高く販売することができるからだ。ただし、ロシア・ウクライナが停戦すれば、供給回復への期待感から、一気にエネルギー価格は下落するかもしれない。そうすれば、同セクターの株価も右肩下がりとなる可能性も考えられる。
2位:素材産業セクター(年間騰落率32.26%)
素材産業セクターに属する上場企業の中には、アルミニウムやチタンなどの金属、化学薬品、紙パルプなどを扱っている企業があるが、世界的にインフレが加速している状況下においては、このような原材料を扱う「川上産業」に投資妙味がある。原材料費の上昇分を価格に転嫁でき、インフレに強いと考えられているからだ。
こうした点に株式投資家が注目して「買い」が集まったことで、素材産業セクターはこの1年間、高パフォーマンスとなっている。インフレが数年単位で続けば、素材産業セクターは引き続き騰落率で上位を保つかもしれない。
3位:工業サービスセクター(年間騰落率32.16%)
工業サービスセクターでクリーンエネルギー関連のサービスやソリューションを提供している企業の好調ぶりが目立った。中国政府がクリーンエネルギーの普及を推進していることが後押しとなっている。中国政府が現在の方針を変えなければ、こうした傾向は続いていきそうだ。
ワースト1位:通信セクター(年間騰落率-25.43%)
通信セクターがワースト1位となった背景には、米中関係の悪化がある。トランプ政権が中国の大手通信会社3社などの株式の購入を禁止する大統領令に署名し、バイデン政権もこの方針を受け継いでいる。こうしたアメリカ政府の動きが、通信銘柄の株価の下落に結びついた。
逆に米中関係が好転してこうした規制がなくなれば、中国の通信セクターに属する企業の株価は一気に回復するかもしれない。
「セクター」から投資銘柄を探すというアプローチ
どのセクターが好調で特に好調だった銘柄はどれか……こうした視点を持つことで世界の株式投資家が中国のどのセクター・銘柄に注目してきたかがよく分かるだろう。もちろん過去の値動きは今後の値動きとイコールではないが、その傾向が続いている場合は、同様の値動きが続いていく可能性が高くなる。
さまざまな視点を取り入れて銘柄選びに役立ててみてはいかがだろうか。
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