銀行口座はいくつ持つべきだろうか。複数の口座を管理することが手間だと感じる人は「1つ」でいいかもしれないが、2つの口座、3つの口座をうまく使い分け、資産や収支の管理に役立てている人もいる。実際にはどのような使い分けをしているのか、紹介していこう。
銀行口座、普通はいくつ持っている?
そもそも日本人は平均的にいくつぐらい銀行口座を保有しているものなのだろうか。口座数別の比率を調べた調査がある。インターネット調査会社のマイボイスコムが2021年4月に実施した「銀行の使い分けに関するアンケート調査(第3回)」(回答者数1万54人)だ。
以下が結果だ。前回調査を結果とあわせて表にした。
<銀行の使い分けに関するアンケート調査(第3回)>
保有口座数 | 第3回調査 | 第2回調査 |
0個 | 1.2% | 0.8% |
1個 | 8.6% | 8.4% |
2個 | 17.0% | 15.8% |
3個 | 23.0% | 23.2% |
4個 | 17.4% | 17.3% |
5個 | 14.1% | 15.4% |
6個 | 7.3% | 7.4% |
7個 | 4.2% | 4.2% |
8個 | 2.5% | 2.5% |
9個 | 0.7% | 0.9% |
10個以上 | 4.1% | 4.1% |
第3回調査でも第2回調査でも最も多数派は「3個」で、第3回調査における比率は23.0%となっている。それに続くのが「4個」で17.4%、「2個」で17.0%、「5個」で14.1%といった具合だ。保有口座が「1個」という人は8.6%にとどまった。
複数持っている最大のメリットは「使い分け」ができること
口座を複数持っている最大のメリットは、口座によって「使い分け」ができることだ。どのような使い分けが考えられるかというと、「入金専用」「出金専用」「貯蓄用」「プライベート用」などという感じだ。
ではここからは保有口座数別にどのような使い分けのパターンが考えられるのか、具体例を紹介していこう。
2口座で使い分けをするパターン
2口座を使い分ける場合、「入金用」と「出金用」という分け方がまず挙げられる。給与や臨時収入などを振り込む口座を一元化し、そこから一定額を出金用口座に定期的に移しておく。
そうすれば基本的には、入金用の口座では入金記録だけが、出金用口座では出金記録だけが通帳に残る。
「プライベート用」と「家計用」に2つの口座を使い分けているケースもある。例えば夫婦の場合、夫婦が共通で管理する口座を持ちつつ、夫と妻がそれぞれプライベート用の口座を保有しているというケースだ。
3口座で使い分けをするパターン
3口座での使い分けとなると、パターンが多様化する。資産運用をしている人の場合、「入金用」と「出金用」に加え、「投資用」の口座を保有している人も多い。
出入金を1つの口座で行い、貯蓄用口座を2つ保有している人もいる。この場合、2つの貯蓄用口座はそれぞれ目的が異なる。1つは「自動車を購入するための貯金」、もう1つは「子どもの教育費のための貯金」といった感じだ。
出金用の口座を1つではなく2つにし、「入金用口座」「生活費の出金用口座」「住宅ローンの出金用口座」の3つを使い分けている人もいる。
4つ以上の口座を使い分けている人も
4口座を使い分けている場合、人によって目的が千差万別だ。出入金のための口座に加え、貯蓄の目的別に3つの口座を保有している人もいる。
ただ単純に、貯金を分散させる目的で4つの口座を保有している人もいる。なぜかというと、万が一金融機関が破綻したとしても、「ペイオフ」という仕組みによって、1金融機関1預金者あたり1,000万円までが保証されるからだ。
例えば4,000万円の貯蓄があるとして、この4,000万円を等分して4つの口座に預けておけば、どの金融機関が破綻しても、自分の貯蓄が減ることはない。口座数が増えると管理は大変だが、危機管理という意味では万全な対応と言える。
口座をたくさん持つ場合は注意点も
うまく口座を使い分けることができるのであれば、口座を複数保有することはぜひおすすめしたい方法だ。しかし1点、注意してもらいたい点がある。使い分けしようと思って作った口座が、最終的に使われなくなるケースだ。
最近では日本の銀行で、残高が一定金額以下の未利用口座に管理手数料を導入するケースが目立っている。該当する口座の場合、年間1,200円程度を手数料として自動引き落としされることになる。
口座を使わずに放置しているとこうした手数料がかかることがあるため、定期的に銀行口座の棚卸しをするのがベターだ。不要な口座は解約してしまおう。賢くお金の管理をしようとしているのに、無駄なお金がかかってしまっては本末転倒だ。
ちなみにこの記事で紹介した調査では、保有口座数が「10個以上」という人も4.1%いた。こうした人の中には使っていない口座をそのままにしているパターンも多いことが考えられる。
(提供:manabu不動産投資 )
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