この記事は2022年5月2日に「ニッセイ基礎研究所」で公開された「ドリームジャンボの期待2022-当せんへの期待をどう膨らませるか?」を一部編集し、転載したものです。
新型コロナは、4月下旬にワクチンの3回目の接種を終えた人が全人口の半数を超えた。3年ぶりに緊急事態宣言のない大型連休を迎えている。
ただ、感染が終息したわけではない。政府は、マスク着用や石鹸での手洗いなど、感染拡大防止策の継続を促している。
そんな中、今年も5月から6月にかけて、ドリームジャンボ宝くじが発売される。最高当せん金は、1等前後賞合わせて5億円と高額だ。今回の宝くじでは、当せん本数など、一部で昨年から変更となっている部分もある。その変更点をみながら、今年はどう狙うべきか、少し考えてみよう。
ドリームジャンボは、1万円以上の当せん本数が昨年から3割以上増加
ドリームジャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等前後賞合わせて5億円」のうたい文句で発売されるのは、ドリームジャンボだ。これに対して、ドリームジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5,000万円となっている。
それでは、ドリームジャンボは、昨年からどのように変更されているのか。
主な変更点は、つぎの5つにまとめられる。
(ドリームジャンボの主な変更点)
(1) 2等1000万円の当せん本数が、1ユニット(1,000万枚)あたり3本から2本に減少
(2) 3等100万円の当せん本数が、1ユニットあたり10本から70本に増加
(3) 4等5万円(当せん本数3,000本)は、なくなった
(4) 5等1万円が4等となり、当せん本数が1ユニットあたり2万本から3万本に増加
(5) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は112万3,115本から113万174本に増加
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.99円のまま変わらず)
つまり、(1)と(3)で当せん金1,000万円と5万円の当せん本数を減らすとともに、(2)と(4)で当せん金100万円と1万円の当せん本数を増やす、という組み換えを行って、平均受取額は据え置いたわけだ。
このうち、注目すべきは、(4)の当せん金1万円の当せん本数が1万本増加する点だ。これにより、1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(1,000万枚)あたり、昨年の2万3,115本から今年は3万174本へと3割以上増加する。
1枚300円のくじを買って1万円以上の当せん金が当たれば、誰でも嬉しいはずだ。今回、当せん金1万円の当せん本数が増えたことで、この嬉しさを味わうチャンスが広がったわけだ。
これは平均的にいうと、1枚300円のくじを332枚買ったら、その中に1万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、くじをそれだけ買うには9万9,600円が必要となり、平均的には持ち出しとなるので要注意だ。
この宝くじは、1万円以上の当せん金を視野に入れながら、5億円の一攫千金を狙うのにうってつけだ。ドリームジャンボは、「高額当せんのワクワク感」を上手に味わうためのくじ、といえそうだ。
ミニは当せん金100万円以上の本数が9.3倍に増加
いっぽう、ドリームジャンボミニはどうか。ドリームジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて5000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの可能性は大きい。
ドリームジャンボミニは、昨年から、なにが変更となったのか。
主な変更点は、以下の4つにまとめられる。
(ドリームジャンボミニの主な変更点)
(1) 当せん金100万円の2等が新設され、当せん本数は1ユニット(1,000万枚)あたり100本とされた
(2) 従来の2等5万円(当せん本数4,000本)は、なくなった
(3) 3等1万円の当せん本数が、1ユニットあたり5万本から6万本に増加
(4) これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は115万4,012本から116万112本に増加
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、150円のまま変わらず)
つまり、(2)で当せん金5万円の当せんをなくすとともに、(1)と(3)で当せん金100万円と1万円の当せん本数を増やす、という組み換えを行って、平均受取額は据え置いたわけだ。
このうち、注目すべきは、(1)の当せん金100万円の2等の新設と、(3)の3等1万円の当せん本数が増加する点だ。
(1)の変更により、100万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(1000万枚)あたり、昨年の12本から今年は112本へと9.3倍に増加する。
また、(3)の変更により、1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニットあたり、昨年の5万4,012本から今年は6万112本へと1割以上増加する。
これは平均的にいうと、1枚300円のくじを167枚買ったら、その中に1万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。ただし、そのためには、5万100円が必要となり、やはり平均的には持ち出しとなる。
ドリームジャンボミニは、ドリームジャンボに比べて1等前後賞合わせての当せん金が小さい。だが、その分、100万円や1万円といった金額の当せん確率は高い。「もしかしたら当せんするかもしれない」という「高確率当せんのワクワク感」を味わうためのくじといえるだろう。
2つのくじをもとに、当せんへの期待を膨らませる
宝くじを買うときには、「高額当せん」と、「高確率当せん」という、2種類のワクワク感があるはずだ。
もちろん、高額当せんの期待をとるか、高確率当せんを重視するか、は人それぞれだ。
そこで、自分がどんな夢を見たいのかをよく考えて、ドリームジャンボとドリームジャンボミニの買い分けを検討してみる。自分は、宝くじにどんな希望を抱くのか、考えてみるわけだ。
―「5億円もの当せん金が当たったら、当せん金はどう使おうか?」
―「1万円の当せん金が当たったら、購入額の何倍のもうけになるか?」
―「そのためには、ジャンボとジャンボミニのくじを何枚ずつ買うことにしようか?」
こんな感じで、いろいろ考えることで、当せんへの期待を膨らませることができれば、幸せな時間を過ごすことができる。この段階で、すでに宝くじを買う効用を味わっているといえるかもしれない。
今回のドリームジャンボ宝くじの発売期間は、5月6日(金)から6月3日(金)までだ。いろいろ考えてくじを買うことで、少しワクワク感を味わってみるのもよいと思われるが、いかがだろうか。
(本稿をまとめるにあたり、参照したWebサイト)
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
https://www.takarakuji-official.jp/
篠原 拓也 (しのはら たくや)
ニッセイ基礎研究所 保険研究部 主席研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任
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