この記事は2022年6月14日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年6月14(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
小林芳彦 1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は、2002年1月に135.15円の高値を付けており、2022年6月13日(月)に同レベルの135.2円付近の高値を付けた。だが、このレベルを抜けた場合、次のターゲットは1998年10月の高値である136.9円となる。もしさらにこれを上抜けした場合にはもはや、上のレベルはよくわからなくなってしまう。
確認しておくと137.19円というのが1998年9月24日の高値。その上が138.25円(1998年9月9日の高値)。ただ、それより上の高値(同年9月1日の139.9円)があるが、これは実はあまり意味がない。
というのは1998年8月の高値が147.63円。ここから9月11日に128.90円まで20円ほど下落する。その過程で8月から9月に月が替わった9月1日が偶然高値になっただけで、下落している最中のため、まったく持ち上がっていないわけだ。
よってこのレベルは抵抗線にならない。ちなみにこの辺り、1998年10月の乱高下はLTCMの破綻のよるもの。
そして2021年10月7日の東京オープンは130.25円、高値が130.7円、安値が118.85円、クローズが121.25円と12円ほどの下落。そして同年10月8日の東京オープンは122.07円、高値が123.45円、安値が111.53円、クローズが118.8円とこちらも12円近い下落というような相場だった。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2022年6月の米ドル/円予想レンジは132~136.9円。予想上値を抜けた場合、140円台まで上昇の可能性があるだろう。
というのは2022年6月13日(月)の黒田日銀総裁の円安懸念に関するコメントと、0.25%を超えた指値オペで0.255%まで金利が上がったことを日銀が容認したため、海外からすると金利の上昇を認めるのかということで、円売りポジションを手仕舞ってくる。
それに2022年6月13月(月)の海外は株の暴落などもあり、135.2円付近の高値を付けたわけだが、これが天井だとは全く思っていない。ここからは日銀のスタンスを見極めたいということと、FRBの利上げが0.5%ではなく0.75%だという話が出てきている。
もし0.75%であれば株が崩れるのかどうかが気になる。またそれを見越して米国株は激しく下落しているが続落するのかどうかだ。ただ、個人的に実際は0.50%だと思っている。
トレンドはここからもドル高方向を考えており、戦略としては十分にひきつけて買い場探しをしたい。ただ、直近高値レベルの135円台では一度は利食って、さらに上昇するのかは一旦様子を見たほうがいいだろう。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。