この記事は2022年6月22日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年6月22日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

日米の金利差拡大を背景に、米ドル/円は136円を抜けておよそ24年ぶりの高値圏に到達した。

黒田日銀総裁は「最近の急激な円安は経済にとってマイナス」との見解を示してはいるが、主要国との金融政策の方向性の違いが鮮明なだけに小手先の発言で円安は止まらない地合。

円安を止めるには金融政策変更を匂わせるか、リスクオフの展開が必要かもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は歴史的な高値圏で難しさもあるが、マーケットが崩れるまではついて行くしかないのだろう。

日米金融政策にこれだけ歴然とした差がある以上は円安基調継続がメインシナリオ。来月の参院選を控えて本邦当局者から口先介入は入るだろうが下がったところは買い場になる。

ただ、各国では止まらないインフレを背景に積極的な利上げ・金融引き締めの動きが強化されており、局地的なリセッションは避けられない。リスクセンチメントの変化から円高に振れる展開では3~4円程度の巻き戻し(下落)は意識しておきたい。

日米イベントについては、2022年6月22日(水)からパウエルFRB議長の議会証言が2日間行われるほか、2022年6月24日(金)には日本の消費者物価指数が予定されている。

パウエルFRB議長の議会証言は先週のFOMCから大きな変更はないだろうが、ここまで米国がインフレになったのはパウエル氏の対応が遅れたことだと責任を押し付けられているので、しっかりタカ派を演じるだろう。

他方、日本の消費者物価については、数字次第になるのだが、仮に予想通りの伸び率であれば欧米とのインフレ差が鮮明になり、円売り安心感に拍車をかけるかもしれない。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。