「おとり広告」は中小企業では命取りに

とはいえ、スシローは今や年間の売上高が2,400億円を超える大企業。国内外に店舗網を張り巡らせており、もはや生活に根付いた存在とも言える。この点、同じ過ちを中小企業がしてしまったら命取りになりかねないので、基本的な知識は持っておきたい。

消費者庁が発行するガイドブック『事例でわかる景品表示法』によると、まず「不当表示の禁止」では、商品やサービスの品質、価格に関して実際よりも著しく優良と見せかける表示が禁止されている。

ここで言う「表示」とは、顧客を誘い込む手段として、事業者が自身の商品・サービスの内容を知らせるもので、チラシやラベル、ダイレクトメールなどのほか、セールストークのように無形の表示も含まれる。その表示の程度が適正な範囲かどうかは、誇張・誇大が社会一般に許容される限度内にあり、顧客が誤認して誘い込まれるか否かが判断基準とされる。

また、合理的な根拠がない効果・性能の表示は「優良誤認表示」とされ、消費者庁から、表示の裏付けとなる根拠の提示を求められることがある。そうした資料が提出できなければ、不当表示とみなされる。

自社に都合の良い形で他社の料金を示し、自社の価格を著しく安く見せかける表示は「有利誤認表示」に当たる。端的に言えば、消費者が実態以上に「お得だ」と誤認してしまうような表示をしてはならないということだ。

このように、消費者に商品・サービスを提供する際は誤解を生む可能性のある表示を避け、なるべく性質や機能がありのまま伝わるよう努めないと、思わぬ痛手を負ってしまう可能性がある。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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