この記事は2022年7月12日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年7月12日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年7月11日(月)米ドル/円は137.75円まで上昇した。またその際、ここまで来たら138円台を目指すと思い、137.60円台などで買ってしまっている人がたくさんいると思う。しかしその読みはうまくいかず、金利も下がり、現在のマーケットはやや荷もたれ感のある状態だ。

そんな中、2022年7月12日(火)、ユーロ/米ドルがパリティ(1.0000ドル)を狙いに行き、わずかにあと一歩の1.0006ドルの安値まで下落。しかし1回目は結局失敗に終わり、1.0030ドル付近まで戻されたという状況。

個人的にはアジア時間ではパリティは割れないと思っており、割れるのは欧州時間からNY時間にかけてだろう。よってその前に1.0055~1.0060ドル付近までの戻りがあったら、ユーロ/米ドルを売りで仕掛けたいと思っている。

いずれにせよ近々どこかでパリティが割れて0.9000ドル台に入っていき、欧州の景気はここから悪化すると考えている。

2022年7月11日(月)、ノルドストリーム(ロシアからドイツに天然ガスを送る主要パイプライン)が定期点検で止まり、再開不透明だそうだ。それによりヒーティングオイルの値段がかなり上昇しており、欧州はここから冬に向けて商品市場がガタ落ちになるだろう。

欧州は宣言したものの、利上げ実施を遂行できるのか疑問だ。そうなるとユーロ/米ドルは0.9000ドルどころか0.8000ドルまで下がることも十分に考えられる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは一昨日10日(日)時点では134.80~137.50円だったが、2022年7月11日(月)のうちに突破されたため、135.50~138.50円に改めたい。

戦略的にはおっかなびっくり買うスタンス。ここから米国の景気の鈍化を考えていたが、先週の雇用統計も良好で、明日13日(水)のCPIの数値もかなり高いそうだ。

その場合、米ドル/円のシナリオが変わってくる。2022年7月12日(火)に関して言えば、136円台を待って136.80円付近で買い、利食いも高値付近ではなくその手前の137.30~137.40円で考えている。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。