この記事は2022年7月26日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年7月26日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年7月21日(木)にECBと日銀の政策金利決定会合があった。まず、日銀に関しては政策変更なし。日銀はこの先もずっとYCC(イールドカーブコントロール)政策を続けると強調した。

これまでであれば、日銀の政策金利決定会合の後は、1~2円ほど円安になっていたが、今回は少しドル買いは出たものの、それを維持することはできず、米ドル/円は崩れている。米ドル/円を買い上げる絶好の材料があってもそうならなかったということは、市場はやや飽和状態に陥っているのだろう。

次回の日銀政策金利決定会合は9月22日で、やや時間があるため、JGB(日本国債)マーケットにおけるJGBショートはそのままキープする人もいるだろうが、やや撤退方向だろう。同時に米ドル/円マーケットでもいわゆる日銀トレードとして持っていたポジション、JGBショートと米ドル/円ロングもやや撤退となるのではないだろうか。

またECBに関しては、0.5%という思い切った利上げをしたのだが、9月は白紙とラガルドECB総裁が発言。これまでのフォワードガイダンスでは、7月に0.25%、9月に0.5%と、あらかじめ筋道を出していた。しかし、現在ロシア問題もあり、経済が不安定な時期であるため、フォワードガイダンスが非常に難しくなっている。

欧州のPMIも50を割ってきており、欧州はインフレと景気後退という2つの問題と同時に闘わなければいけなくなっており、政策の舵取りが非常に難しくなっている。欧州の命運はロシアの一存次第といった所があり、天然ガスの供給がこの先絞られていくのであれば、景気後退に陥るため、利上げは早晩ストップすると考えている。

ユーロのダウンサイドリスクには注意したい。またパリティ(1.0000ドル)を試すのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

2022年7月28日(木)日本時間未明にFOMCがある。0.75%の利上げは完全に織り込まれているため、これが新たなドル買い材料にはなりづらいだろう。

よって米ドル/円マーケットはやや調整気味で横ばいになるかと思っている。134.00~137.50円のレンジを想定。リスクとしてはやや円高方向だろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。