「地震大国」と呼ばれる日本。いつ起こるかわからない大地震に備え、対策は万全にしておきたいものだ。そこで今回は、大地震への備えとして、お金にまつわる対策を紹介しよう。

緊急時に備えるお金に関する6つの対策

大地震への警戒高まる昨今、緊急時に備える「お金の対策」
(画像=takasu / stock.adobe.com)

対策①:緊急用の資金を銀行口座に確保する
まず、緊急用の資金を銀行口座に確保しておくことが重要だ。多いに越したことはないが、少なくとも生活費の3ヶ月分、できれば6ヶ月分を用意しておきたい。毎月の生活費が30万円の場合は、90万円~180万円が目安だ。

着の身着のまま避難しなければならなくなった場合、最低限必要なものをそろえるだけでも、それなりのお金がかかるだろう。そこまで差し迫った状況でなくても、被災中および避難中は食事代や衣服代、交通費、宿泊費といった出費が増えるはずだ。保険や手当など諸々の保障を受けられるまでのつなぎとなる資金をしっかり準備しておく必要がある。

緊急用の資金は「すぐに使えること」が重要なので、換金性や流動性が高い預貯金で準備しておこう。被災時は金融機関も混乱することが考えられ、お金の引き出しに時間がかかったり、引き出す金額が制限されたりするかもしれない。そのため、複数の金融機関に分散して預けておくことも選択肢のひとつだ。なお、金融機関から現金を引き出す際の「本人確認証」となるマイナンバーカードや健康保険証、運転免許証なども、非常時にはすぐに持ち出せるようにしておきたいところだ。

対策②:スムーズな決済のため、手持ち現金 (特に小銭) を用意しておく
被災直後は停電になる可能性もあり、クレジットカードや電子マネー、QR決済が利用できないことも考えられる。そんなときに役立つのは、何といっても現金だ。緊急用の資金を銀行口座に確保しておくことも大切だが、ATMの故障などですぐにお金を引き出せない事態を想定し、手持ちの現金をしっかり用意しておきたい。数日間の生活費と考えると1万~3万円程度を財布に入れておき、自宅には10~20万円を置いておくとよいだろう。

被災時はお釣りが必要な1万円札は敬遠される可能性がある。そのため、1万円札ではなくあえて1000円札10枚を用意したり、100円玉や10円玉といった小銭を一定量用意したりしておくのもよいだろう。

対策③:損害保険への加入・見直し
自宅が地震で被害を受けたときに備え、保険も見直しておきたい。まずは自分がどのような損害保険に入っているか確認しよう。地震保険に加入していない場合は加入を検討したい。地震保険は、地震や噴火、それらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償してくれる保険だ。

ただし、地震保険は単独で加入することができない。地震保険は「火災保険の付帯」という位置付けなので、地震に対する補償を受けたい場合は、火災保険とセットで加入する必要がある。「火災保険には入っているが、地震保険はつけていない」という状態だと、地震による火災の損害は補償の対象外となるので注意してほしい。

対策④:銀行口座・保険証券などのデジタル管理
保険に加入していても、保険金を請求できなければ意味がない。保険証券を見ながら保険会社に連絡するのが理想だが、緊急時はできないこともあるだろう。そのため、少なくとも「保険会社名」と「証券番号」はすぐに分かるようにしておきたい。

普段持ち歩いている手帳にメモしておいてもよいが、スマートフォンの中にも収めておいた方がよいだろう。避難の際、優先的に携帯するものだからだ。

保険証券をスマートフォンのカメラで撮影しておいてもよいが、近年は保険証券自体を電子化して管理できるアプリもある。同様に、銀行口座のデジタル管理 (インターネットバンキングの開設やインターネット通帳への移行など) も進めておくとよいだろう。

対策⑤:マイホームの耐震化対応
マイホームの耐震化も検討したい。耐震化リフォームにはそれなりの費用がかかるが、国や地方自治体が助成金、融資、減税などの公的支援制度を用意している。例えば一定の耐震改修工事を行った場合に、所得税や固定資産税が軽減される制度がある。

また、多くの地方自治体が公的支援制度を用意している。例えば東京都渋谷区の場合、一定の条件を満たすと木造住宅耐震改修や除却の費用が助成される。一度住んでいる自治体の制度を確認してみるとよいだろう。各自治体の耐震化相談窓口に行けば、親切に教えてもらえるはずだ。

対策⑥:財産目録の作成
財産目録も作成しておきたい。家族の財産を正確に把握していている人がいても、その人に万一のことがあれば、途端に分からなくなってしまう。「誰にどのような財産や負債があるか」「どこに保管してあるのか」「どのような保険に入っているのか」などを記載して、家族全員に共有しておこう。

誰もが一定の地震リスクを有している

ここまで、お金の観点から「大地震への備えとなる対策」を6つ紹介してきた。日本で生活する以上、誰もが一定の地震リスクを有しているといえるだろう。「自分は大丈夫」と安易に考えず、万一ことが起こっても対応できるように準備しておこう。いざとなってからでは手遅れだ。

(提供:大和ネクスト銀行


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