本記事は、横山光昭氏の著書『18歳からの投資信託の教科書』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
投資信託とは、いろいろな中身が詰まった〝袋〟のようなもの
投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金を元手として、「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資のプロが、さまざまな株や債券などの資産に投資・運用。そこから得られた利益を投資家に還元する、という仕組みの金融商品です
1人ひとりが出すお金は少額でも、たくさんの人のお金をひとまとめにすることで、多くの資産に分散投資できるところが特徴です。だから、投資家は投資信託を1つ買うだけで、分散投資することができます。いわば、投資信託はたくさんの株や債券、不動産といった資産が入った〝大きな袋(詰め合わせ)〟のようなものなのです。
投資信託には「日本株型」「全世界株型」「米国株型」など、さまざまな種類があります。「~型」というのは、詰め込まれた商品の内容を指しています。たとえば日本株型の投資信託なら、大きな袋の中にたくさんの日本株がぎっしり詰め込まれているようなイメージです。全世界株型であれば、世界中の国々の株が入っています。なお、同じ日本株型の投資信託同士でも、商品ごとに中身は違っています。
株だけではなく、債券が詰め込まれている投資信託もあれば、不動産を対象とした投資信託もあります。また、株、債券、不動産などをバランスよく詰め込んだ「バランス型」と呼ばれる投資信託もあります。
また、買うときは、事前に中身をチェックできます。開けてからのお楽しみ、というタイプの福袋のような商品ではなく、おかしなものが混ざっていないか確認してから買えるので安心です。
投資信託は証券会社や銀行などで販売されています。ただし、投資信託の運用を〝指示〟しているのは、証券会社や銀行ではなく、投資信託会社です。その投資信託会社も、あくまで運用の方針を決めて指示を出しているだけで、実際に株や債券を買ったり売ったりしているのは、また別の会社(信託銀行)です。
信託銀行は、投資家から集めたお金(信託資産)の管理もしています。銀行業務で預かっている資産とは別口で管理しているため、仮にその信託銀行が破綻したとしても、信託資産は守られます。また、投資信託会社が破綻した場合にも、信託銀行のほうで信託資産を管理していることから、やはり投資家のお金は守られることになります。
すべての投資信託は、このように販売会社・投資信託会社・信託銀行という3つの組織によって支えられています。