本記事は、石井貴士氏の著書『パッと見て1秒で覚える 瞬間記憶勉強法』(きずな出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
記憶のメカニズムを知ることで、瞬間記憶が可能になる
「記憶のメカニズム」を知っていますか? と言われて、「はい。知っています」と即答できる人は、ほとんどいません。
記憶のメカニズムを知らなければ、瞬間記憶もできるようにはなりません。
まずは、記憶のメカニズムを知ることが、瞬間記憶の第一歩です。
記憶には、短期記憶と長期記憶があります。
短期記憶とは、20秒以内の記憶で、長期記憶とは20秒以上の記憶になります。
短期記憶を、長期記憶に移行していくのが、記憶をするということです。
瞬間記憶の場合は、短期記憶を、さらに2つに分けます。
(1)短期記憶(音読の場合)=「20秒以内」
(2)短期記憶(黙読の場合)=「1秒以内」
瞬間記憶をマスターしていく際には、「音読をする」というステップが必要になる場合があります。(英単語・英熟語・英文法など)。
その際は、短期記憶は定義通りの20秒以内となります。
黙読、つまり、目で見て、瞬間的に、1秒以内に覚えていくのが、瞬間記憶です。
なので、短期記憶を、音読の場合(20秒以内)と黙読の場合(1秒以内)に、あらかじめ分けて考えておいてください。
短期記憶を長期記憶に移していく、という記憶のメカニズムは変わりませんが、瞬間 記憶の場合は、1秒以内の記憶を長期記憶に移していくというイメージが加わります。
エビングハウスの忘却曲線を知ろう
エビングハウスの
記憶についての基礎知識なので、押さえておく必要があります。
人は20分後には42%忘れる=覚えているのは58%
人は1時間後に56%忘れる=覚えているのは44%
人は1日後には74%忘れる=覚えているのは26%
人は1週間後には77%忘れる=覚えているのは23%
人は1ヶ月後には79%忘れる=覚えているのは21%
というものです。
何度も言いますが、「瞬間記憶をマスターすれば、1発で覚えて一生忘れないのではないか」というのは、間違った考え方です。
そうではなく、そもそも忘れることを
復習をすることは︑避けて通れません。
復習に最適なタイミングは、覚えてから20分から1時間後です。
ちょうど50%近くを忘れているタイミングなので、覚えている状態に引き戻しやすいのです。
テレビCMは、広告会社が知恵を絞って、いかに我々の記憶に定着させるかを研究し尽くしています。
テレビCMは、本編が20分くらいしたところで、CMに入ります。
また20分経過したらCMが入る、ということの繰り返しです。
20分から1時間以内に、復習をするのがいちばん記憶に定着するから、テレビCMのスタイルは50年以上変わっていないのです。
短期記憶は20秒以内と言いましたが、テレビのCMが15秒、ラジオのCMが20秒というのも、記憶のメカニズムを知った上で、つくられています。
ならば、我々も、CMのように、20秒以下のフレーズを、20分から1時間に1回復習をすれば、同じように記憶の効果が最大化されるのです。
瞬間記憶は、1秒で眺めて、また20分から1時間経過したら、1秒で眺めて、の繰り返しで、記憶に定着させていきます。
テレビCMでも、20分経過したら、「それにつけてもおやつはカール!」と言われ、また20分から1時間経過したら「それにつけてもおやつはカール!」と言われ、また翌日にも「それにつけてもおやつはカール!」と言われるので、覚えてしまっているというわけです。
カールのCMは、20年以上放送されていませんが、それでも記憶に永遠に定着しているのは、記憶のメカニズムに乗っ取って、脳に刷り込まれているからなのです。
ほかの著作に、『図解 本当に頭がよくなる1分間勉強法』(中経出版)……16.5万部
『1分間英単語』(中経出版)……13万部
『やってはいけない勉強法』(きずな出版)……10万部 などがある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます