勘違い(2)
値下がりしても長期保有すればよい

投資信託,グラフ,チャート
(画像=takasu/stock.adobe.com)

シニア世代の資産運用では、リスクをなるべく抑えることが基本となります。そのため、保有する金融商品が値下がりしても売らずに、長期保有し続ければいずれ上がるからよいと考える人が多くなっているようです。

この考え方は通常の資産運用であれば間違っていませんが、レバレッジ投資はその仕組み上、レバレッジの対象指数が上昇局面でも下落局面でもない一定の範囲内で動いている「ボックス相場」の場合、価格が下落していきます。これを「減価する」といいます。

例えば、スタート時点の100から相場(連動する指数)が10%上がると110になりますが、2倍のレバレッジ型は120になります。その後、相場(連動する指数)が10%下がると99(110-110×10%)になりますが、レバレッジ型は96(120-120×20%)になります。次にまた相場が10%上昇し、その後10%下落すると、相場は約98ですがレバレッジ型は約92まで下がるのです。これを繰り返すとどんどん差は広がっていきます。

実際には相場はここまで単純には動きませんが、イメージはご理解いただけるかと思います。

加えて、レバレッジ型は仕組み上、日経平均株価のようなインデックス指数を対象としている場合でも、先物取引を利用しているなどでコストが高いことがあります。そうなると、長期保有することでコストの負担もさらに大きくなるのです。

レバレッジ型は基本的に短期間での取引を想定したハイリスク投資なので、長期的な投資には向いていないことを理解しておきましょう。

60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用
(画像=60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用)