本記事は、川上徹也氏の著書『面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は? 人を動かす伝え方50の法則』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

アピールポイント
(画像=Wayhome Studio/stock.adobe.com)

【アピールポイントが思い当たらない】
努力を「見える化」する

自分が扱う商品は、「どこにでもある平凡な商品」だと思っていませんか?

今から100年近く前にアメリカで活躍した伝説のコピーライター、クロード・ホプキンスを一躍有名にしたのは、シュリッツビールの広告キャンペーンでした。

当時のアメリカは、「ビール戦争」と呼ばれるほど、たくさんのビール会社がせめぎあう群雄割拠の時代でした。

シュリッツビールから広告の依頼があったとき、ホプキンスは醸造所へ見学に行きました。

実は、当時どの会社でも「純粋」という言葉でアピールしていたのですが、それではライバルと差がつきません。そこでホプキンスは、ビールをつくる過程を見ることで、何か新しい訴求ポイントが見つからないかと期待したのです。

工場を見学したホプキンスは、驚きました。

ビールは巨大なホワイトウッドのパルプでできたフィルターで濾過ろかされていること。ビール瓶は高温の蒸気で洗浄され、ポンプや管は1日2回洗浄されていること。地下4,000フィートから天然水をくみ上げていることなど、知らないことだらけだったからです。

オフィスに戻ったホプキンスは、興奮して、シュリッツビールの担当者に「どうしてこれを伝えないのですか?」と聞きました。

すると担当者は、「他社も同じことをしているから」と答えたそうです。

他社が同じことをしていたとしても、まだどの会社も伝えていない。生活者に伝えれば、きっと驚くはずだ。

そう考えたホプキンスは、「清潔なビール」というコンセプトのもと、「生きた蒸気で洗浄されたビール」というコピーで新聞広告を制作しました。

それは大きな反響を呼び、シュリッツビールは業界5位から、数カ月で業界トップに躍り出たのです。

この大成功から、ホプキンスは次のような原則を発見しました。

「同業者なら誰でも知っているような事実や当たり前すぎて誰も伝えてこなかった事実を、他社に先がけて訴求すると、最初に伝えた商品に独占的、永続的な栄誉がもたらされる」自分にとっては当たり前のことでも、他から見たら「すごい」と思うことが絶対にあるはず。そこを探し出して、アピールしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

自分にとっては当たり前でも、別の視点で見ると魅力に変わる

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は? 人を動かす伝え方50の法則
川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。
「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。
現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を超えて、様々なものの魅力を伝え続けている。
『物を売るバカ』『1行バカ売れ』 (角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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