本記事は、越川慎司氏の著書『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

6割の企業が無視している「あること」を行えば「イスに座るだけの会議」はなくせる

会議
(画像=alotofpeople/stock.adobe.com)

上司の虚栄心を満たすために部下を集める
「マウンティング会議」

たとえば、「毎週、月曜日の10時は定例会議」ということが、決まっているとします。あなたは、アウトルックとかGoogleカレンダーに入っている会議の予定を見て、こう感じているのではないでしょうか。

「あ〜あ、月曜は朝から会議か、面倒だなぁ。まあ、座っていれば勝手に終わるから我慢、我慢」

こんな会議は、まさに、「開かれること自体が目的になってしまっている会議」です。

もちろん、活発な議論が交わされ、内容が充実していて、必要なことが決定する会議ならば、やる価値はあるし、あなたの参加意欲も変わってくるでしょう。

しかし、悲しいかな、私がこれまでに相談に乗ってきた企業での会議の実態を見ると、一般社員が、「イスに座ること」、つまり、「参加すること」だけが目的になってしまっている会議が毎週、場合によっては毎日開かれている。まさしくムダな時間そのものです。

そんな「開催することが目的化しているミーティング」の中身は、メールで共有すれば済むような連絡事項だけで、あとはどうでもいい雑談になっていることもあるのではないでしょうか。

しかし、なぜ、そのような会議はなくならないで残り続けるのでしょうか。今までの慣習を踏襲しているだけなのでしょうか。しかし、会議の決定権を持つ役職の人ならやめることも可能なはず。長年、誰もやめようとしないのには隠れた理由があるのかもしれません。

実は、こうした会議は上司にとって、自己満足に浸る絶好の機会です。上司がメンバーの顔を見て、ハッパをかけることでマウンティングし、自分の権力を誇示する場になっているケースが多く見受けられます。

あえて、名前をつけるなら「マウンティング会議」です。

解決策

上司の虚栄心を満たすためだけの会議であれば、ムダでしかありません。極論で言えば、ムダな会議はなくしてしまうのが一番です。

しかし、それはあなたが部門長でもないかぎり、現実的には難しい話。

なくせないなら、せめて、「意味のない会議」を「意味のある会議」に変えていきたいところですよね。

実は、会議は、準備が9割です!

会議を意味のあるものにするのであれば、次の3つについては事前に決定され、参加者に告知されていなければなりません。

  • 会議の時間
  • 会議の参加者と役割
  • 会議のアジェンダ

このうち、会議の「時間」と「参加者と役割」は事前に決定していることも多いかと思います。

見落としがちな曲者は、3つ目の「アジェンダ」! アジェンダとはつまり、会議の議題や目的のこと。具体的には、たとえば、「この会議では、これとこれとこれを決定します」という、言わば「その会議が目指すべきゴール」のことです。

これがない会議は、山頂がわからない登山のようなもの。参加者は、どこを目指しているのかわからないまま、登山を始めなくてはなりません。

逆に言えば、アジェンダが存在しないのであれば、わざわざ会議を開く必要はないと言えます。にもかかわらず、私の調査では、6割の会議でアジェンダが共有されないまま開催されているのが現状なのです。

会議のアジェンダは、遅くとも会議の24時間前には参加メンバーへ周知することが必要です。そうすれば、参加者は準備をして参加してくれますから、会議時間の短縮にもつながります。

あなたが一参加者でしかないなら、会議の主宰者(多くの場合は上司でしょう)に、「今度の定期会議では、こんなことを決めてはどうでしょうか?」と、アジェンダをこっそりメールしてみるのはいかがでしょうか? ほかのメンバーの前で進言すると、周りからスタンドプレーのように誤解されるかもしれませんし、上司によってはメンツをつぶされたと思ってしまうかもしれません。

その際に、提案を受け入れてもらいやすくするポイントがあります。それは、上司の立場に立って、より具体的かつ明確なアジェンダにすることです。

たとえば、上司が課長であるなら、その上司である部長や役員などから、どんなことを言われているかこっそり観察して、その内容を入れたアジェンダにするのです。

4割の「アジェンダがある」会議であっても、その中身は「進捗報告」とか「提案事項」といった曖昧な内容になっていることが多いもの。もし、あなたの上司が営業獲得件数で悩んでいるのであれば、「〇月の獲得件数を10件増やすための方法を検討」とか、「A社への提案内容検討」などというタイトルが入っているだけでも、集まる目的がハッキリします。

上司としても、「部下が面倒なことを言ってきた」と切り捨てたりはせずに、提案を真剣に考えるモードに入ってくれるものです。

曖昧なアジェンダだと何が起きるかといえば、通り一遍の共有事項の話が終わったあとは、上司が自分の話したいことだけをダラダラと話す「マウンティングトーク」が始まってしまうのです。そこからさらに話が脱線して、過去の栄光トークに変わってしまったら最悪です。

目的が明確なアジェンダには「脱線を防ぐ」役割もあるのです。

「チームのためになること」「上司がチームの目標達成のために望んでいること」などを考えて、テーマとして提案することで、会議時間が「イスに座ることが目的のムダな時間」にならなくて済みます。

上司の立場に立った
「具体的で目的が明確なアジェンダ」づくり

仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?
越川慎司
日本電信電話株式会社(現NTT)、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に業務改善コンサルティング会社「株式会社クロスリバー」を起業。
のべ800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。
「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『29歳の教科書』(プレジデント)ほか多数。

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