本記事は、越川慎司氏の著書『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

「パワポの達人」が作った資料ほど、商談の成約率は低いのはなぜ?

パワーポイント
(画像=monticellllo/stock.adobe.com)

色数や要素が多すぎて目がチカチカ、頭がクラクラする「デコパワ(=デコラティブパワポ)

たとえば、大勢の前でプレゼンテーションをするとき。本当に説明に自信がある人は、ホワイトボードの前に立って、必要なことは、その都度、手書きしながら説明を進めたりします。逆に、凝りに凝ったパワーポイントやエクセルの資料を投影しながら説明する人は、実は自信がなかったりするもの。

もちろん全員がそうとは言いませんが、パワーポイントの達人は、意外と実質的な成果を生み出していないものです。

達人なだけに、会議などで説明するときに、ついパワーポイントに頼ってしまうのかもしれません。

あなたも、もし、カラフルで、文字やグラフを詰め込んだ、凝りまくりのパワーポイント資料「デコパワ」を作っていたら要注意! あなたの作る資料は、説明を受ける人たちの目をチカチカ、頭をクラクラさせているかもしれません。

せっかく、何時間も費やして作った資料が伝わらないのでは、時間のムダ。努力が浮かばれません。お客様へのプレゼン資料なら、成約にもつながらず、骨折り損のくたびれ儲けです。

解決策

解決策として、パワーポイント資料5万ファイルを分析した結果得られた、「読んでもらえるパワーポイント資料」の条件についてお伝えしましょう。

1画面の文字数は105文字以内!

5万ファイルのパワーポイント資料における、「1画面に入っていた文字数」の平均は380文字でした。作った人はよかれと思っているのでしょうが、この文字数では、進んで読んでくれる人はいません。事実、1画面に300文字以上入ったパワーポイント資料を作っている営業はあまり実績が出ていませんでした。

逆に、営業成績が高く、会社内でエースと呼ばれているような方たちが作るパワーポイントの「1画面に入っている文字数」を分析してみると、平均値の3分の1から4分の1、たったの105文字でした。

パワーポイント画面では、1画面の文字数はこの105文字以内にしてください。

文字を羅列するよりも、少ない文字数で、「要は何か」ということが10秒で伝わるようなパワーポイント資料が成果につながります。

画面に使う色は3色以内!

「メラビアンの法則」って、たぶん、1度や2度は耳にしたことがあると思います。

ものすごく簡単に言えば、「人は55%の情報を視覚から得ている」という法則。

ですから、相手の目を疲れさせてはいけないのです!

カラフルで、原色がバンバン使われているパワーポイント資料は、それだけで見る人の目が疲れてしまい、それ以上続けて見る気力を失うことがわかっています。

わかりやすいパワーポイント資料の条件は、「相手の目を疲れさせないこと」。

ですから、パワーポイントの画面に使用する色は、「原色以外で3色以内」がベストです! 具体的には、真っ赤よりはあずき色、真っ青よりはダークブルーですね。

色数は3色以内と言いましたが、仕事ができる人の約4割は2色を使っていて、割合としては一番多いというデータもあります。

さらに高度なテクニックでは、白色をうまく使うと、より効果的だということもわかっています。白色とは、たとえば余白とか、白抜き文字のこと。重要な情報の周りに余白を入れたり、目立たせたい言葉を白抜き文字にしたりする。白抜き文字には、ろうそくのような効果があり、相手の頭に残りやすいことがわかっています。

対角線を意識する

画面を見たとき、人の視線というのは、左上から右下に向かって、対角線上に移動します。そのうえで、興味を持ったら左上から右上へと移動するのです。

ですから、それを意識して、キャッチーな内容を左上に持ってくるようにする。

目線誘導で、対角線上にアイコンを置くのが効果的です。

以上、「1画面の文字数は105文字以内!」「画面に使う色は3色以内!」「対角線を意識する」が、読んでもらえるパワーポイント資料の条件です。

この3点を、126社1万8,817人の営業担当者に、2か月間、トライアルで実践してもらった結果、資料の作成時間はマイナス20%を実現しました。さらに、商談の成約率は22%アップ!

作成時間が短くなって、成約率がアップするのですから、よいことずくめではありませんか。

3色以内、1画面に105文字以内を厳守!

仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?
越川慎司
日本電信電話株式会社(現NTT)、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に業務改善コンサルティング会社「株式会社クロスリバー」を起業。
のべ800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。
「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『29歳の教科書』(プレジデント)ほか多数。

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