本記事は、頼藤太希氏の著書『会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)の中から一部を抜粋・編集しています

自分の「年金額」を把握していますか?

定年後ずっと困らないお金の話
(画像=brizmaker/stock.adobe.com)

日本の公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金の2つがあります。

国民年金は、20歳から60歳までのすべての人が加入する年金です。原則として、20〜60歳までの40年間にわたって所定の国民年金保険料を支払えば、誰もが満額受け取れます。

2022年度の国民年金の満額は(0.4%の引き下げで)年額77万7,800円です。

保険料の納付月数が40年に足りないと、受け取れる金額も減少します。たとえば保険料納付月数が30年間(360か月)であれば、年金は満額の4分の3となります。なお、満額で受け取れる年金額は年ごとに改定されます。

対する厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金。会社員・公務員の方は、毎月の給料から国民年金・厚生年金の保険料を天引きで支払っています。そうすることで、老後には国民年金と厚生年金の両方を受け取れます

個人事業主やフリーランスなどの方は厚生年金に加入していませんので、国民年金のみとなります。ちなみに、会社を設立して起業した場合には、たとえ自分ひとりの会社であっても厚生年金(社会保険)に加入します。

厚生年金の受給額は、加入期間中の給与や賞与の金額も踏まえて計算されます。基本的に、長く加入するほど、給与や賞与の金額が多いほど、年金額が多くなります。

次の表は、23歳から厚生年金に加入した場合に受け取れる年金額(国民年金+厚生年金)の合計額(年額)を示した概算表です。なお、国民年金は2022年度の満額、厚生年金は65歳時点での受給額を表しています。

定年後ずっと困らないお金の話
(画像=定年後ずっと困らないお金の話)

なお、自分がどのくらいの年金を受け取れるかを詳しく知りたい場合は、「ねんきん定期便」を確認しましょう。

ねんきん定期便は、日本年金機構から年に1回、誕生日前後に送られてくる書類です。基本的にはハガキですが、35歳、45歳、59歳になる年には封書で届きます。これまでも、一度は見たことがある方が多いのではないかと思います。

50歳以上のねんきん定期便には「60歳まで加入した場合の年金額の目安」が書かれています。ねんきん定期便には、ほかにも「これまでの保険料納付額(累計額)」「これまでの年金加入期間」「年金保険料の納付状況」「ねんきんネットのアクセスキー」などが書かれています。

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(画像=定年後ずっと困らないお金の話)

ハガキと封書の大きな違いは「年金保険料の納付状況」。ハガキでは直近1年分しか記載されていないのに対し、封書ではこれまでの全期間の分が記載されています。節目の年に、間違いがないかを確認しておきましょう、という意味合いです。

ねんきん定期便が届くのは年に1回です。すぐに自分の年金記録を確認したい場合は、ねんきん定期便のネット版、「ねんきんネット」を活用するのがおすすめです。

ねんきんネットを使うと、20歳から今までのすべての年金記録がいつでも確認できるうえ、今後の年収・働き方を加味した、より詳細な年金額をシミュレーションできます。スマホにも対応しているので、いつでもどこでも年金の情報が確認できます。

ねんきんネットへのアクセスは、ねんきん定期便に記載されている「アクセスキー」を利用するとスムーズです。日本年金機構のウェブサイトのトップページにある「新規利用登録」→「アクセスキーあり」で手続きすれば、簡単に登録・ログインができます。

ただし、アクセスキーの有効期限はねんきん定期便の到着から3か月です。有効期限が切れたり、アクセスキーがわからなかったりする場合は「アクセスキーなし」から登録をすると、後日郵送でユーザIDが届き、ログインできるようになります。

また、マイナンバーカードを持っていれば、アクセスキーがなくても「マイナポータル」からねんきんネットにアクセスできます。

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頼藤太希(よりふじ・たいき)
株式会社Money&You代表取締役。マネーコンサルタント。中央大学客員講師。 慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に株式会社Money&Youを創業し、現職へ。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力すると同時に、月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha』やYouTube「Money&You TV」を運営している。 主な著書に『そのままやるだけ!お金超入門』(ダイヤモンド社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など多数。 日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。
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