この記事は2023年1月6日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Yong Hian Lim/stock.adobe.com)

2023年1月6日(金)の午前8時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

2023年のスタートからトリッキーな動きをしたのが米ドル/円。なんの材料もない中、年明け3日(火)にいきなり129.52円まで急落。そして本日6日(金)午前7時半時点で134.05円まで急反発している。

年末のメルマガでも懸念していたフラッシュクラッシュ(ミニだが)が現実に。ミニフラッシュクラッシュを演じ、マーケットが円高方針に傾斜した局面で、米系短期勢が買い戻すといった動き。結果としては、米系短期筋がフェイクをかけてからドル買いをしたという展開。

20年ほど前の金融機関、AIではなくトレーダーがメインでトレードしていた時代は、こういうフェイクはよくあったが、こうしたクラシカルな手法が今どき行われるとは驚き。年初のような流動性のないマーケットではこうしたクラシカルな手法が通用するのだろう。

ともあれ、年初から米ドル/円もユーロ/米ドルも、そして豪ドル/米ドルも方向感なく乱高下。

現在の為替相場の戦略やスタンス

新年そうそういきなり「行って来いマーケット」を演じているだけのマーケットからは市場参加者はまだ明確な方向性を確かめられず、リスクはまだ限定的としている段階。そんな中、少しトレンドになり得るかもしれない動きがあった通貨がある。それは「豪ドル/円」。その要因は中国に関する下記の報道。

中国当局はオーストラリア産石炭の2年余りにわたる禁輸を解除し、輸入を一部再開する計画を検討している。

(出所:ブルームバーグ)

当然この報道は豪ドルにポジティブなので豪ドル/米ドルがいきなり急騰。ただ米ドル/円が象徴するように、対主要通貨で米ドルは底堅く推移。本日6日(金)の米雇用統計の数字で対米ドルは大きくふれると思うので、対米ドルではなく、豪ドル/円の押し目買いで臨みたい。

▽豪ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。