地方の優位性を活かしたビジネスを展開する
現状維持だけでは、いずれ企業は衰退してしまうだろう。そのため地方企業は、地方ならではの特性を活かしたビジネス展開により、事業拡大を図る必要がある。
地方に拠点を置いても影響がない企業
低コストで会社を維持できることは、地方で事業を行う企業にとってメリットが大きい。IT産業などは、地域の市場規模に影響されることなく全国的な事業展開ができるため、実際に地方に拠点を移す企業が増えている。
また新型コロナウイルス感染症の影響や政府の働き方改革の推進もあって、テレワークによる働き方が定着しつつある。都市から地方へ移る流れは労働者にもあり、設計、企画、デザインやエンジニアなどテレワークが可能な職種は、地域に縛られないため、地方でも人材確保が期待できるだろう。働き方改革につながる企業の取り組みは、有能な人材確保・人手不足の解消につながるといわれている。
地方の特色を活かした事業を行う
なかには、道の駅に家族で出かけるなど手軽にレジャー感覚で地方に買い物に行く人もいるだろう。ネット販売を実施している地方企業が増え、消費者が地域の特産品をネットで直接購入することが一般的に行われるようになった。ふるさと納税もネット販売の一種といえるかもしれない。また都市部でも地方の特産品や食材を扱う飲食店を目にすることがある。
地方企業が販路拡大により都市部に積極的に進出する例も決して珍しくないのだ。日本政府も地方創生に力を入れており、6次産業化も地域資源と産業を結びつける新たなビジネスチャンスとなっている。1次産業から3次産業を融合し一体化した事業として農業の可能性を広げようするものを6次産業化と呼ぶ。各産業の特徴は、以下の通りだ。
・1次産業:農作物の生産をする農家や魚介類を採取する漁師など
・2次産業:収穫・採取した資源を加工した商品の製造業など
・3次産業:卸売業・小売業、観光業や民宿、レストラン、食堂など
6次産業化により成功している例がマスコミに取り上げられることも多い。地元の資源を活かした新たなビジネスモデルを創出することは、地域産業の活性化にもつながり、結果として地域経済の成長や雇用の創出を生み出すことが可能となる。現代は、地方でもインフラは整備され、物流コストは都市圏と大差がなくなっている。
地方には、その地方のよさがあり、そこに地方企業が抱える経営課題を解決するヒントがある。各地方の特色を活かした事業を行うことで都市圏の消費者を地方に取り込むことが可能な時代となっているのだ。