本記事は、三浦孝偉氏の著書『続けられる人になるための37の「やめる」』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

新たなスタートを待つイメージ
(画像=Cagkan/stock.adobe.com)

モチベーションに頼るのをやめる

必ずと言っていいほど継続とセットで使われる「モチベーション」について、さまざまな切り口で否定していこうと思います。

「否定」と書いたのは、その通り。僕はこの「モチベーション」という言葉が大嫌いなのです。

そもそもモチベーション・やる気がずっと続けば、誰だって継続はできるはず。しかし、残念ながらそんなことは絶対にない。それは誰しもが経験されたことでしょう。

この「モチベーション」なるものは、とても気まぐれでわがままな奴で、最終的には継続を望む僕らには「敵」として現れます。

だから、最初にお伝えします。「モチベーションなんかに頼らないこと」

長く継続していくうえで、どうしてもやる気が出ない、やりたくない、明日に回したい、ということは絶対に出てきます。

そのときに、いかに自分の中で工夫して「継続」できるか?

多くの成功者は、モチベーションなんかではなく、「続けられるルール・仕組み」、もっと言うと、コツやツボを理解しているから継続できるのです。

いくら成功者だって、やる気が全く出ない朝はありますから。

確かに、モチベーションが高いときに人が発揮するエネルギーには、素晴らしいものがあります。ですが、僕はこの「モチベーション」に頼るのをやめたことで、継続力が格段に上がりました。

僕が「モチベーションを頼らなくなった2つの理由」、その1つ目は「モチベーションは長く続かない」、もっと言うと「一瞬でなくなるもの」だと知ったから。

三浦家では、感染症発生の前は1年に1回、家族でハワイ旅行に行っていました。

ご存じハワイと言えば、日本人の行きたい国No.1の観光名所。いざ行ってみると、日本人の多さに驚くうえに、多くのお店で日本語対応がされていて、英語が喋れなくてもそれなりに楽しめるのも、人気の理由の1つだと考えます。

とは言え、です。やはりそこは海外、アメリカ。英語が喋れた方がいいに決まっている。ホノルルのど真ん中だけで満喫していればいいのですが、ちょっと離れたスポットに行くと、英語が喋れないことで不便な経験をされた方も多いでしょう。

僕もその1人で、その都度、こう思っていました。

「帰ったら今度こそ英語を勉強しよう」
「次に来たときは、もっと楽しみたい」

サラリーマン時代の海外出張時にも同じことを思っていました。もちろん、ビジネスで行っているので、当然通訳の方がいらっしゃいます。それでもやはり自身で話せた方が、仕事が円滑に進むだけでなく、何よりも最高の体験ができる。

「もっと英語を勉強しなきゃ!」

現地で、英語教材をAmazonで買った経験すらあります。

つまり、そんなときは、「モチベーションMAX状態」と言っていいでしょう。

ですが、毎回僕はそのモチベーションを成田空港に置いてくるみたいです。

家に着いて、また日常が始まったら、「英語?あっ、それねー。明日から!」。

……どれだけだらしない人間なんだか。

英語学習以外にも、同じような事例はたくさんあります。

たとえば、引っ越しした後の部屋のコーディネート。

「最高に素敵な部屋にしてやる!」と思うのも1週間くらい。気づいたら、カーテンのない生活で1ヶ月が過ぎた。

たとえば、友達からみんなで撮影した写真をもらったとき。

「うわ! 顔、まる!! 痩せなきゃ!!!」気づいたら、カツカレー+ラーメン。

その他、例を挙げたらキリがないほど、「モチベーション」が上がる状況はいくつも出てきますが、同時に一瞬でなくなっていった経験をされた方も多いはず。

こういった経験を積み重ねたことで、人のモチベーションなんてそんなもの。それよりも、なぜ継続したいのか? どうしたいのか? もっと本能と欲望に向き合わないと、継続なんて無理だということがわかりました。

僕が「モチベーションを頼らなくなった2つの理由」2つ目は、「モチベーションには上限がある」から。

1つ目に比べて抽象的になりますが、僕にとってモチベーションとは、お風呂の水がいっぱいに入っている状態=モチベーションMAXから、徐々に排水溝から出ていく状態でイメージしています。

つまり、どんどんなくなっていくもの。そして、時間の経過とともにまた増量されていくものこそが、モチベーションだと考えます。

そのスピードは人によって、またテーマによって、それぞれ違いが存在します。しかし、間違いなく言えるのは、「お水がいっぱいの状態=モチベーションMAXの状態は続かない」ということです。

だから定期的に補給していかなくてはいけないし、ここで大事なのは「お風呂の水を空の状態(0)」にしないことです。

何も考えずに上限が決まっているモチベーションを使い切ると、そこからの復活がとても大変になります。

クルマのガソリンもスタート時に一番燃費がかかるのと同じで、少しでもモチベーションが残っていれば復活は可能ですが、「0」になってしまうと再起は苦しくなります。

その「0」になることを、多くの方は平気でやってしまっているのです。

スタートダッシュや、「年始の宣言」がこれに当たります。

続けられる人になるための37の「やめる」
三浦孝偉(みうら・こうい)
株式会社KOIコミュニケーションズ代表取締役
博報堂に13年間勤務した後、独立。法人コンサル+副業・起業アドバイザー。 情報発信ビジネスを主軸にし、メールマガジン2万人の読者に毎日10年間メルマガを配信する。 YouTube登録者数は19,000人。 多くの方に副業・起業支援を行う中で、結果を出すために大切なのは、学歴や地位などではなく、何より地道に真面目にコツコツ取り組むことだと実感。 「継続こそ最強」と考え、継続研究とその指導に力を入れている。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)