本記事は、マイク氏の著書『9割の会社員が知らない お金が勝手に働く投資術』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
おすすめのハイクラス投資法
心の余裕があれば何事もうまくいくとお伝えしましたが、いざ実際にハイクラス向けの投資をしようと思ってもどんなことをすれば良いのか、気になるところですよね?
仕組みの基礎編では「都心部のワンルームマンション投資」一択でしたが、ハイクラス向けとなるとさまざまな投資法があります。ここではハイクラス向けの代表的な投資法を3つお教えします。
(1)一棟アパート投資
(2)株式投資
(3)投資信託
ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)一棟アパート投資
賃貸需要が見込めるエリアでアパートを購入します。ワンルームマンション投資とは異なり、毎月大きなキャッシュフロー(家賃収入からローンの返済や経費などの現金支出を差し引いた手元に残る現金)が得られるのが魅力です。キャッシュフローが見込める理由としては木造ですので、RC造(柱や梁などの主要構造部を鉄筋コンクリートで構築している建物構造)のマンションに比べて建築コストが低いこと、自動ドアやエレベータなどの共有設備が少ないため維持費用が安いことです。
これにより、毎月のキャッシュフローが生み出されます。購入するアパートにもよりますが、年収の10倍から20倍近くまで借り入れが可能です。アパートからの収入が本業の年収を超えることも多々あります。
私も4棟保有していますが、トータルのキャッシュフローは給与以上になっています。
一棟アパート投資でうまくいくためのポイントをお教えします。
- 利回りよりも安定性
- 信頼できる業者から購入する
利回りとは、投資用不動産の運用で得られる年間の見込み収益のことです。キャッシュフローを求めるがあまり、利回りを追求して購入してしまうことを最も避けなければなりません。物件の提案資料には満室想定の利回りが記載されています。しかし、本当にその物件は常時満室なのでしょうか?
例えば、利回りが15%の青森県の物件と、利回りが8%の神奈川県の物件が同じ価格の5,000万円で販売されているとします。
- ■青森県の物件
5,000万円の物件で年間利回りが15%だと、年間750万円の家賃収入です。ローン返済や諸経費など引くと実質420万円ほどが手元に残る計算(シミュレーション)です。
しかしながら実際は地方のため、空室率が40%ほどの可能性があります。すると実質の手残りは120万円ほどとなります。
- ■神奈川県の物件
5,000万円の年間利回りが8%だと年間400万円の家賃収入です。ローン返済など引くと実質140万円ほどが手元に残る計算(シミュレーション)です。
都心部のため、空室率が5%ほどと計算すると、実質の手残りは120万円ほどとなります。
これだけみるとほぼ同じように思いますよね。しかし実際は空室が多いと入居のための宣伝費用が多くかかります。また、青森県の物件の場合は冬場の除雪費用なども発生するため、利回りが2倍近く高くても神奈川県の物件のほうが実質の手残りが良くなります。
この見極めが、安定性が高い物件を購入する、ということです。
本来は一棟アパート投資も、ワンルームマンション投資のような都市部の駅近が望ましいのですが、土地価格が高いためキャッシュフローが出にくいのが現状です。
そのため、安定性が高いおすすめのエリアは、都市部よりは少し外れるが人口が減少していないエリアとなります。
そして何よりも重要なポイントが、信頼できる業者から購入するということです。
一棟アパートは購入する前に、
- 前のオーナーが修繕をしっかり行っていたか
- 家賃の滞納や騒音トラブルの原因となる不良住民を受け入れていないか
- 地盤に問題がないか
などを、販売業者が事前に確認していることが必要になります。
私の経験上、信頼できる業者の見極めは、すでに一棟アパート投資で成功している人からの紹介が一番手っ取り早いです。そのような業者であれば、きっちりと対応してくれることは証明されています。また、一見さんより、すでに付き合いのある投資家からの紹介のほうが大切にしてくれるはずです。
ポイントをしっかりと押さえれば、必然的に一棟アパート投資は成功に近づきます。
一棟アパート投資のほかに「築古戸建て投資」があります。ですが、こちらはリフォームなどが必須となり随時修繕が必要のため、自由業など時間がコントロールできる職業の人のほうが向いているかもしれません。私も過去にリフォームをして実践しようと思いましたが、あまりの面倒さに途中で諦めてしまいました。
(2)株式投資
個別株銘柄に対して投資をします。興味を持つことができる銘柄を常時10〜20ほど保有します。
銘柄を購入するときのポイントは3つあります。
(1)好きな銘柄を買う
(2)複数銘柄を購入する
(3)リカバリーできる範囲内にする
株式投資において非常に大切な要素は、株価が下がってきたときにぐっと我慢をできるかどうかです。我慢して待つことができれば、その後に株価が上昇するケースは多々あります。そのためには〝待つための理由〞が必要となります。会社の理念が好きだから、会社の製品が好きだから、会社の今後の方針が魅力的だからと、何でも良いです。
あなたの恋人に対しての感情に置き換えるとわかりやすいかもしれません。顔が好みだから、性格が優しいから、お金を稼ぐからと何でも良いのですが、あなたがぐっと我慢できるには、恋人に何かしら好きなポイントがあるはずです。なんとなくで付き合うとその後のアクシデントですぐに別れることは多いでしょう。株式銘柄も同じなのです。
また、複数銘柄購入することも大切です。株式は、不動産投資のようにオーナーの力で価値を上げることは、市場などの外部要素を加味すると難しいです。そのリスク対策として複数の銘柄を保有します。
稀にしか発生しないが、いったん発生するとその影響が極めて大きい事象を「テールイベント」と呼びます。ただし、実際に日経225(東京証券取引所に上場している主要225銘柄の株価をもとに算出している株価指数)や、S&P500(米国で時価総額の大きい主要500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数)の株価の価格を
私も過去にmixi株がフィーバーし、ほかの株のマイナス分を帳消しにしたどころか莫大な利益をもたらしてくれたことがあります。これがテールイベントの力です。
最後に大事なポイントは、基礎編で実践したワンルームマンション投資の利益でリカバリーできる投資金額にすることです。もし万が一の事態が起こっても、日常の仕事(給与)に影響がでない範囲内で投資をします。
例えば、5年間保有で売却益が最低でも300万円以上は見込めるワンルームマンションを5件保有しているのであれば、1,500万円を5年間で使うことが
できる上限とします。その範囲内であれば心の余裕があるため、日常に影響しません。
投資が日常に影響を及ぼし、仕事やプライベートに支障が出ては本末転倒です。仕事では常にエリートであり続け、プライベートは充実一途が一番です。
(3)投資信託
インデックスファンド(投資信託)にドルコスト平均法で最低でも10年以上投資します。ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法のことです。
「インデックスファンド」とは、特定の株価指数(インデックス)と連動するように作られた投資信託です。インデックスファンドは連動する指数が上昇すると値上がりし、下降すると値下がりします。有名なインデックスは日経225やNYダウ、S&P500などがあります。
インデックスファンドの良い点は、景気に連動しているという点です。資本主義社会であればインフレは必須のため、企業価値も日々上がっています。
実際にNYダウの株価は、1970年から2021年の52年間でみても約236倍になっています。
続いてS&P500の株価は、1960年から2021年の62年間で株価指数が約77倍になっている事実があります。
下がるときは数年下がったままですが、10年スパンで見れば確実に上昇しています。
だからこそ、購入するなら「ドルコスト平均法」がおすすめです。常に投資金額と時期を一定にすることで、価格が低いときには購入量が多く、価格が高いときには購入量が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できるのです。
このような商品は投資信託だけではなく保険にもありますので、あなたの状況に応じて使い分けると良いでしょう。つみたてNISAを使うメリットもあります。
ここまで、ハイクラスの投資先の代表的かつ、おすすめの投資法を3つ紹介しました。
ほかにもFXや仮想通貨などの投資もありますが、FXはレバレッジをかけることができるため、投資する上限を定めていても、その場の勢いで上限を簡単に破ってしまいます。
レバレッジとは、本来「てこの原理」という意味ですが、金融業界でレバレッジといった場合には、借り入れを利用することで、自己資金のリターン(収益)を高める効果が期待できることを指します。また株式投資や投資信託のように緩やかな流れではなく時間軸が短いため、証券会社のマイページを定期的にチェックする必要があります。
仮想通貨は可能性を秘めてはいますが、まだまだ不安定な市場のため資本主義社会に連動していません。そのため、上昇・下降の予測が立てづらく、運に頼る割合が高くなってしまいます。