ウイスキーに関するおすすめ小説・エッセイ12選【Whiskeen編集部セレクト】
日本のウイスキー誕生についての小説や、作家たちのウイスキー愛が伝わるエッセイ・紀行文など、ウイスキーが登場する本のジャンルはさまざまです。
その中から、Whiskeen編集部が12冊を厳選しました。
お好みの本を選んで、その世界観に没入しながらウイスキーを味わってください。
ウイスキーに関するエッセイ・紀行文
ウイスキーに関するエッセイ・紀行文は、作家が実際にウイスキーの生産地を巡ったりウイスキーを楽しんだりする描写が多くあります。
なかなか足を運ぶことが難しい、スコットランドの旅行記として楽しめる作品も。
ぜひウイスキーを飲みながら、気軽に読んでみてください。
『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』村上春樹著 新潮文庫
村上春樹が、ウイスキーの聖地とも呼ばれるスコットランドのアイラ島や、パブの文化が深く根付いたアイルランドへ夫婦で訪れ、現地のパブや蒸留所を巡った紀行文です。
『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』
このタイトルが、村上春樹の世界観を見事に表現しています。
現地の様子がうかがえる写真が多く載っており、ウイスキーを片手に何度も読み直したくなるでしょう。
アイラモルトのロックと合わせたい1冊です。
『青いライオンと金色のウイスキー』田村隆一著 筑摩書房
詩人でもある田村隆一のエッセイです。
彼は大のお酒好きとして知られており、ユーモアを交えてウイスキーについて語っています。
お酒好きとして、読んでいて共感できる部分の多い作品。
軽い口当たりのスコッチと合わせたい1冊です。
『酔うために地球はぐるぐるまわってる』椎名誠著 講談社
お酒好きな作家としても有名な椎名誠の、独特な語り口のエッセイです。
ウイスキー・ビールなどのお酒にまつわるウンチクや、スコットランドや日本の蒸留所を巡った紀行文も楽しめます。
本書にも登場する、ウイスキーのソーダ割りやビールを飲みながら読みたい1冊です。
ウイスキーが登場する小説
ウイスキーが登場する小説は、伝記やミステリーなど、さまざまなジャンルがあります。
ただの飲み物として登場するわけではなく、ウイスキーが物語の核となっていたり、人物の性格を表す重要なアイテムだったりします。
作品の世界観に没入しながら、ぜひウイスキーをゆっくり飲んでみてください。
『ヒゲのウヰスキー誕生す』 川又一英著 新潮文庫
NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルとして有名な竹鶴政孝と妻のリタが、ニッカウヰスキーを創業するストーリー。
ジャパニーズウイスキーの創成期が描かれている作品で、ラブストーリーとしても楽しめます。
竹鶴政孝は”日本のウイスキーの父”とも呼ばれており、日本における「本格的なウイスキー造り」を広めた立役者です。
いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造る――。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。
川又一英 『ヒゲのウヰスキー誕生す』 | 新潮社
ニッカのウイスキーに合わせたい1冊です。
『なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか』三沢陽一著 光文社
バーを舞台にしたミステリー小説で、ウイスキーがキーワードとなり、さまざまな事件を解決するストーリーです。
短編集なのでミステリー小説初心者でも読みやすく、作中に登場するウイスキーの描写も楽しめる作品です。
ここは仙台のバー。ローカル誌の記者が、一週間ほど前の事件を思い出しバーテンダーに語り出した。――三ヶ月前に取材をした医師が殺されたと知り合いの新聞記者から連絡が来た。現場に駆け付けると、微かに燻製のような匂いが漂ってくる。この香りは一体――?
なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか 三沢陽一 | 光文社文庫 | 光文社 (kobunsha.com)
ピートのきいた、スモーキーなスコッチウイスキーと合わせたい1冊です。
『風の歌を聴け』村上春樹著 講談社
群像新人賞を受賞した、村上春樹の原点ともいえるデビュー作。
神戸を舞台に、20代最後の年を迎えた主人公が、1970年の夏の日々を記した作品です。
この小説を読むと、まるで1970年代にタイムスリップしたような感覚になります。
さわやかな潮の香りのするスコッチウイスキーと合わせたい1冊です。
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹著 新潮社
村上春樹の4作目となる長編小説で、初期の最高傑作といわれる作品です。
「ハードボイルドワンダーランド」と「世界の終わり」という章が交互に進行します。
異なる2つの世界に、主人公である「僕」と「私」が迷い込む、不思議なストーリー。
少し暗い印象ですが、どんどん引き込まれます。
バーボンと合わせたい1冊です。
『今夜、すべてのバーで』中島らも著 講談社
酒豪で知られていた、中島らもの作品。
冒頭文が、古代エジプトのお酒についての小話から始まります。
アルコールが原因で入院した作者の実体験をユーモラスに書いた小説で、アルコール依存症の闘病記でもあります。
アルコール依存症への警鐘を鳴らす1冊ですので、お酒が好きな方はぜひ読んでみてください。
『ロング・グッドバイ』 レイモンド・チャンドラー著 村上春樹訳 早川書房
レイモンド・チャンドラーによる、ハードボイルド小説シリーズの1作品『長いお別れ』の新訳版。
なんと、日本語に訳したのは村上春樹です。
主人公の私立探偵フィリップ・マーロウは、とあるバーで泥酔しているテリー・レノックスという男と出会う。そして彼から突然「メキシコに連れて行ってほしい」という依頼を受けるも……。
主人公の「男の渋さ」を感じられる作風で、「これがまさにハードボイルドだ」と感じられるストーリー。
イギリスで生まれたミステリー小説なので、スコッチウイスキーと合わせたい1冊です。
『琥珀の夢 上』伊集院静著 集英社
サントリーの創業者で、ジャパニーズウイスキーの製造に人生をかけた男、鳥井信治郎の物語。
テレビドラマ化もされました。
日本にウイスキーはもちろん、洋酒さえ馴染みのなかった時代に若くして商店を始め、今のサントリーとして成長するまでのサクセスストーリー。
経営哲学本としても楽しめる物語です。
ぜひ、サントリーのウイスキーと合わせて読んでみてください。
『女王陛下の007』イアン・フレミング著 井上一夫訳 早川書房
映画化もされ、007シリーズの中でも人気の作品です。
数ある007シリーズの中でも、モルトウイスキーを飲む場面が書かれている、『女王陛下の007』が特におすすめ。
主人公のジェームズ・ボンドの父親がスコットランド人ということもあり、ウイスキーを飲む場面が多く登場します。
ピートのきいたアイラモルトと合わせたい1冊です。
『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー著 山本やよい訳 早川書房
『オリエント急行殺人事件』は、アガサ・クリスティーのミステリー小説シリーズの中でも、特に有名な作品です。
名探偵ポワロが主人公のシリーズには、ウイスキーが随所に登場します。
ハードボイルドな探偵によく似合う、アメリカンウイスキーのバーボンと合わせたい1冊です。