インドウイスキーの歴史

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(画像=「whiskeen」より引用)

インドでの本格的なウイスキー製造は、インドがイギリスの植民地だった19世紀ごろに始まったといわれています。
1820年代には、イギリス人のエドワード・ダイアーによりカソーリ蒸留所が誕生。

19世紀初頭には、イギリスやスコットランドから蒸留および醸造設備が運び込まれました。

1898年には、世界トップの販売数を誇る「ミスタードエルNo.1(旧マクダウェルNo.1)」の生みの親、マクドーウェルズ蒸留所が創業。
現在は酒造企業ディアジオの傘下となり、年間3,000万ケース以上のボトルが販売されています。

また、インドで初めてシングルモルトをリリースしたのが、1948年創業のアムルット蒸留所です。
サンスクリット語で「人生の霊酒」を意味する「アムルット」は、グローバルブランドとして世界各国で販売されています。
「アムルット」の高いクオリティは、インドのウイスキーの名を一躍世に知らしめました。

>>>「アムルット」についてはここから確認いただけます

インディアンウイスキー2つの特徴

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(画像=「whiskeen」より引用)

インドのウイスキー、インディアンウイスキーの大きな特徴は以下の2つ。
原料と、インドならではの気候風土です。

1.原料は廃糖蜜(モラセス)が主流
2.熱帯気候が生む熟成感

世界的には、大麦や小麦、トウモロコシなどがウイスキーの原料として定義されるなか、インディアンウイスキーにはサトウキビ由来の廃糖蜜(モラセス)が用いられます。

また、多くの蒸留所が冷涼な地域に位置する一方、インディアンウイスキーは熱帯気候のもと生み出されるのが特徴です。

1.原料は廃糖蜜(モラセス)が主流

インディアンウイスキーの原料は、サトウキビ由来の廃糖蜜(モラセス)が主流です。
廃糖蜜は、砂糖を精製する際に出る副産物。
インディアンウイスキーは廃糖蜜に水と酵母を加え、発酵、蒸留の工程を経て生まれます。
仕上げに色と味、香りが加えられるのが一般的です。

ただし、すべての蒸留所が廃糖蜜のみを原料とするわけではありません。
「アムルット」をはじめ、モルトウイスキーを製造する蒸留所では、インド産大麦や輸入大麦が用いられます。

また、バーボン樽にシェリー樽など、ウイスキーを熟成させる樽の種類も多様です。

2.熱帯気候が生む熟成感

スコッチやアイリッシュなど、世界5大ウイスキーと呼ばれるウイスキーの多くは、冷涼な地域で造られます。
雑菌が繁殖しないよう、もろみの発酵に温度管理が求められるほか、蒸留後の冷却に大量の冷たい水が必要となるからです。

前述したアムルット蒸留所では、発酵槽にウォータージャケットを取り付け、時間をかけて低温発酵をおこないます。
製造には地下からくみ上げた井戸水を使用。

また、温暖な気候はウイスキーに欠かせない「熟成」にも影響をもたらします。
熟成は、温度が高いほど早く進みます。

「アムルット」の場合、樽の中でウイスキーが蒸発するエンジェルシェアの割合は、スコットランドの約3倍にあたる年間10~16%です。

短期間で熟成するインディアンウイスキーは、インドならではの風土が生み出す多様な個性を放っています。