飲食業で採用者数を増やすための施策4つ

自社に必要な人材を雇用するためには、飲食業の人手不足の原因を受け止めつつ、各種施策に取り組み必要がある。

1.給与待遇や労働環境を改善する

社員や店員の給与待遇や就労時間を含めた労働環境の改善が何よりも重要だ。

飲食業は全産業の中でも給与待遇が悪く、休日日数が少ない割に所定外労働時間が長いといったことが周知の事実となっている。

求人の出し方を見直して採用者数を増やしたとしても、定着率が悪ければ継続的に採用活動を行わなければならない。また、労働環境が悪いことがSNSなどで情報拡散されれば、応募してくる人材自体が減ってしまうだろう。

そのため、地域の競合点などを一つの基準として、自発的に待遇や労働環境を改善していくことが必要だ。また、従業員満足度を把握することが経営改善はもちろん、定着率アップには欠かせないため、定期的に社員や店員にアンケートを取ることも忘れないで欲しい。

2.人材の評価・育成制度を明確にする

飲食店の従業員にはパートやアルバイトが多いが、人材の評価や育成制度の明確化は不可欠だ。

給与待遇を改善しようとしても、いきなり初任給の時給を上げることは難しいだろう。しかし、勤務期間や社内での活躍によって昇給や昇格する制度が整っていることをアピールできれば、求人への応募者を増やすことができる。また、育成制度があることで従業員は安心して働くことができ、定着率のアップも期待できる。

評価や育成制度の設定だけでは伝わりにくいため、応募職種に応じて参考になる社員の「ロールモデル」を示したり、求人票だけでなくSNSや自社HPで発信したりすることが大切だ。

3.自社で働く魅力を発信する

自社のコーポレートサイトやSNSアカウントで自社の魅力や働くメリットを発信することも大切だ。

飲食業の採用活動では、ハローワークや求人サイト、地域のタウン誌などへの求人掲載がほとんどだ。しかし、求人票はフォーマットに沿って採用条件や給与額などが記載されているだけで、応募する側が職場で働くイメージができないのはもちろん、企業側も自社に必要な人材にアプローチできないというデメリットがある。

採用活動において、企業は情報を自ら発信していくことを意識し、一緒に働く仲間の情報開示や育成制度など、他の飲食店にはない魅力をアピールすることが肝要だ。

4.採用活動の方法を見直す

採用活動の方法自体を見直すことも人材不足の解消には欠かせない。

飲食店経営では、店舗で常に接客を行うパートやアルバイトなどの人材確保が欠かせないため、求人にいかに応募してもうらかが重要だ。また、従業員はそのまま店舗の顔にもなるため、接客マナーはもちろんだが自社のイメージに適した人材の採用が求められる。

中小企業の採用活動では、ハローワークや求人サイトなどを用いた求人募集が多いが、それだけではマッチ度の高い人材を集めにくい。そのため、以下のような採用活動にも取り組んでみることをおすすめする。

リファラル採用:従業員に自社とのマッチ度が高い友人や知人などを紹介してもらう採用手法

ソーシャルリクルーティング:SNSを用いて人材に直接アプローチしたり、マッチ度の高い人材が興味を持つような情報を発信したりする採用手法